2000 Fiscal Year Annual Research Report
散発性多発性腎細胞癌の発生機序-分子細胞生物学的解析-
Project/Area Number |
12671555
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大家 基嗣 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00213885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大東 貴志 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80185371)
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10167546)
丸茂 健 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80138130)
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
堀口 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60229234)
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Keywords | 腎細胞癌 / CGH / 多発性 |
Research Abstract |
多発性の腎細胞癌の発生機序を解明する方法として主病巣と主病巣以外の病巣(サテライト病巣)のgeneticな特徴の差を検索することが考えられる。検索の方法として、CGH(Comparative genomic hybridization)を用いて主病巣とサテライト病巣の差を検索した。また、サテライト病巣を認めない通常の腎細胞癌のCGHも併せて施行した。2例のサテライト病巣を認める症例(Case1,2)を含む17例を解析し、全体として最も頻度の高い異常は3pの欠損であり、10例に認められた。次いで5qの増幅であり、8例に認められた。3pの欠損は2例のサテライト病巣を認める症例でも認められたのに対し、5qの増幅はCase1では主病巣のみにおいて認められた。Case1では主病巣は、3p-,5q21-35 gain,7+,9q34 loss,12+,17p13 loss,20+であったのに対し、サテライト病巣は、1q25-ter gain,3p14-ter lossであった。両者は共通する特徴が少なく、サテライト病巣の方が異常が少ないので、サテライト病巣は主病巣からの同一クローンによる転移と考えるより、独立した原発巣と考えられた。Case2においては、主病巣は、3p-,6q-,7p21-ter gain,7q11-ter gain,Y-であったのに対し、サテライト病巣は、3p-,5+,5q14-ter gain,6q23-ter loss,7+,8-,18+,21q+,Y+であった。両者は共通する特徴があり、サテライト病巣の方が異常が多く、サテライト病巣は主病巣からの同一クローンによる転移と考えられた。サテライト病巣は独立した原発巣である場合と転移巣である場合があり、CGHによって分類できる可能性がある。さらに多くの症例によって検討を継続する予定である。
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