2001 Fiscal Year Annual Research Report
HVJ-リポソーム法を用いた自殺遺伝子による前立腺癌ターゲティング療法の確立
Project/Area Number |
12671556
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀口 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60229234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 隆弘 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50265948)
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10167546)
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
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Keywords | 前立腺癌 / 遺伝子治療 / ターゲティング / リポソーム / 自殺遺伝子 / 組織特異的 / プロモーター / エンハンサー |
Research Abstract |
Prostate-specific membrane antigen(PSMA)はヒト前立腺細胞に特異的に発現している細胞膜蛋白である。本研究では、新たな前立腺癌特異的遺伝子治療の確立を目指し、PSMAを標的とした遺伝子導入法を確立することを目指している。 1、動物モデルの作製:ヒト前立腺癌細胞株として、PSMAを発現するLNCaPを用い、本細胞1x10^6/0.1mlを雄ヌードマウスの皮下に移植し、4週間目まで観察したところ、腫瘍が生着し測定可能な病変となることが確認された。ただし、今後計画しているin vivoでの治療遺伝子の導入実験のためにはマウス個体間の生着腫瘍の偏位が大きいため、より安定したモデルの確立が必要と考え、現在LNCaPのホルモン非依存性変異株であるC4-2を用いてより安定した動物モデルの確立を目指している。 2、in vitro遺伝子導入:各種ヒト前立腺癌細胞株に対して、PSMAプロモーターによるluciferaseリポータープラスミドを用いた遺伝子導入を、cationiclipidをvectorとして試みたところ、PSMAを発現しないDU145およびPC3細胞では遺伝子発現は低かったが、完全な特異性が得られず、PC3細胞においては、SV40プロモーターの10%程度の発現効率が認められた。現在、PSMAを発現するLNCaP細胞においてのみtight controlで遺伝子発現を来すPSMAエンハンサー領域の同定を進めている。 3、新たに得られた知見および今後の研究課題:2においてPSMAプロモーターを用いることにより、PSMA特異的に遺伝子導入・発現が得られることが確認されたが、遺伝子発現効率の不十分なこと、および、完全なPSMA拘束性の遺伝子発現調節が得られておらず、今後はこの2点を克服すべく、未知のエンハンサー傾域の同定が、本研究の推進には必要不可欠と考えられる。
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