2000 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス誘導遺伝子baxおよび自殺遺伝子を融合させた膀胱癌に対する遺伝子治療
Project/Area Number |
12671567
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
柴田 雅朗 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10319543)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 勝紀 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
伊藤 裕子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40148432)
|
Keywords | 膀胱癌 / 単純性ヘルペスチミジンキナーゼ / bax / 遺伝子治療 / Electro-gene transfer / in vitro / in vivo |
Research Abstract |
1.目的の遺伝子を配したプラスミドの入手あるいは構築は終了しており、まず最初にBax,HSV-tKあるいは両者遺伝子の複合が膀胱癌細胞に対してどれほどの殺傷効果を与えるかを見るために、in vitroの実験を行った。pBax、pHSV-tKおよびpHSV-tK/Baxの各々のプラスミドをヒト並びにマウス由来の膀胱癌細胞に導入した結果、Bax単独の殺傷効果は弱く(約30%の細胞が死滅)、HSV-tK単独では50〜60%の細胞が死滅した。しかし、HSV-tK+Baxの複合ではHSV-tK単独と大差はなく、明らかな複合効果は得られなかった。なお、HSV-tKの効果はGanciclovir(GCV)と併用した場合であり、非併用の場合あるいはGCVのみの場合は殆ど死滅効果は現れていない。 2.当初、生体への遺伝子導入法として、癌細胞への遺伝子導入に選択性を持たせるため、増殖の盛んな細胞にのみ感染するレトロウイルスを第一手段として考えていたが、HSV-tKであれば分裂細胞においてのみ効果を発揮する事から、むしろ臨床応用を考えた時の安全面を第一に考え、最初にelectro-gene transfer(EGT)による遺伝子導入を試みた。F344系雌ラットに250ppmのBBNを6ヶ月間に渡り投与し、膀胱癌を誘発させた。痲酔下にてラットを開腹し、膀胱頂部より膀胱腫瘍にpCMVβプラスミド(レポーター遺伝子β-ガラクトシダーゼ)を50μg注入し、EGTした。その後、2週間に渡って腫瘍内でのβ-ガラクトシダーゼの発現を経時的に追跡した。EGT後の2〜3日で発現が見られ、4〜7日で強発現し、2週後においても発現は観察された。次に膀胱腫瘍内にHSV-tKをEGTにより導入した。その結果、全ての群で投与に対する反応性変化、壊死が観察されたが、HSV-tKにGCVを併用投与した群ではより強い壊死性変化が見られる傾向にあった。
|