2002 Fiscal Year Annual Research Report
尿路上皮癌モデルを用いた浸潤・転移・血管新生に関するヘパラナーゼの研究
Project/Area Number |
12671568
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
勝岡 洋治 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10051757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂元 武 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00340555)
北沢 荘平 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90186239)
中島 元夫 ノボルティスファーマ創薬研究本部, 部長
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Keywords | 膀胱癌 / ヘパラナーゼ / 転移 / 浸潤 / 腎細胞癌 |
Research Abstract |
今年度は、ヒト膀胱癌を高転移株にheparanase cDNAを含むexpression vectorをtransfectすることを試みた。しかし、種々の条件下で検討を加えたが安定したheparanase蛋白、heparanase mRNAの発現を呈するtransfectantを得ることができなかった。今後細胞株の種類を変えて再度検討を加えheparanase cDNA transfectantのを作成を試みる。同時に、ヒト腎細胞癌の組織型、異型度、病期別にheparanase蛋白、同mRNAの発現を検討すると共にheparanaseの発現が予後因子となり得るかを外科的に切除されたヒト腎細胞癌組織(N=46)を用いて検討した。その結果、heparanaseの発現は蛋白レベル、mRNAレベル共にgranular cell typeのもので発現頻度が最も高かった(clear cell VS granular cell:27% VS 69%)。しかし、異型度別ではその発現に有意差を認めなかった。Stage別のheparanaseの陽性率はT_3症例ではT_1,T_2に比べて高率であるが有意差を認めなかった(50% VS 33% P=0.6725)。しかし、遠隔転移を有するものは有しないものに比べて、その発現は有意に高かった(56% VS 19%, P=0.0387)。以上のことより腎細胞におけるheparanaseはlate-stageにおける血行性転移に何らかの役割を果たしていることが示唆された。また、転移を有せず外科的に原発巣の治療切除を受けた患者におけるheparanaseの発現の有無別の生存率はheparanaseの発現を認めないものに比べて予後不良であったが、有意なものではなかった(5年生存率:30% VS 48%,P=0.1283)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 郷司 和男: "限局性前立腺癌に対する間歇的ホルモン療法の試み"泌尿器外科. 15.7. 895-898 (2002)
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[Publications] 郷司 和男: "間歇的内分泌療法の可能性とその意義"泌尿器外科. 15.7. 755-761 (2002)
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[Publications] Kazuo Gohji: "Prostate Cancer"Elsvier Science(未定). (2003)