2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12671576
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
齊藤 英和 山形大学, 医学部, 助教授 (90125766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内谷 敏 山形大学, 医学部, 助手 (30322001)
齊藤 隆和 山形大学, 医学部, 助手 (00272071)
中原 健次 山形大学, 医学部, 講師 (80250934)
高橋 俊文 山形大学, 医学部, 助手 (20302292)
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Keywords | 卵 / 卵胞 / 胚 / テロメラーゼ / アポトーシス / 凍結 / ヒアルロン酸 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
ヒトの生殖現象は、卵巣内での卵胞発育過程、卵の成熟過程を通しての受精能獲得、排卵および卵子の卵管内への取り込み、卵管内での精子との遭遇による受精、胚の分化・発育、子宮腔内への移動、子宮内膜への着床といった、ダイナミックな変化を経ている。その過程の機序解明は、基礎的意義のみならず、臨床応用の面においても極めて重要であるが、いまだ解明されていない部分が多く残されている。我々は、女性の不妊症患者を治療していく過程において発生する数々の問題から疑問を発し、その機序解明と、治療法の発見を念頭に、長年に渡り研究を進めてきた。ヒトの女性の生殖現象、特に「卵胞・卵発育機構の解明」「受精現象に伴って起こる一連の現象の解明」「胚発育機構」を明らかにすることは、女性のリプロダクティブヘルスの改善に繋がる。このようなわれわれ独自の研究設備とスタッフのもとで以下の研究し下記の結果を得た。 1.卵細胞および胚においてテロメラーゼ活性が発現しており、、卵・胚発育過程で変動する。2.ヒト顆粒膜細胞にはアポトーシスの現象が存在し、卵胞の発育を調節している、とくに、排卵誘発の際に使用される薬剤は顆粒膜細胞のアポトーシス現象に影響し、卵の質に影響を与えている。3.胚の凍結保存法の1つにVtrification法があるが、この方法での胚への影響には、アポトーシスとネクローシスの両方の変化が関与する。4.卵胞液中のヒアルロン酸、CD44、の発現は卵胞・卵の成熟と関連している。5.母体の加齢に伴い、卵における細胞内カルシウム伝達機構の変化が生じる。
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[Publications] Saito H,Saito T, 他: "Relatively poor oocyte quality is an indication for intracytoplasmic sperm injection"Fertility & Sterility. 73・3. 465-469 (2000)
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[Publications] Saito H,Ishida GM, 他: "Application of vitrification to human embryo freezing"Gynecol Obstet Invest. 49・3. 145-149 (2000)
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[Publications] Saito H,Kaneko T, 他: "Hyaluronan in follicular fluids and fertilization of oocytes"Fertil Steril. 74・6. 1148-1152 (2000)
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[Publications] Kaneko T,Saito H, 他: "Hyaluronic acid inhibits apoptosis in granulosa cells via CD44"J Assist Reprod Genet. 17・3. 162-167 (2000)
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[Publications] Takahashi T,Takahashi E, 他: "Effects of aging on inositol 1, 4, 5-triphosphate-induced Ca release in unfertilized mouse eggs."Molecular Reproduction and Development. 55・3. 299-306 (2000)
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[Publications] Ohta N.,Saito H., 他: "Soluble CD44 in human ovarian follicular fluid"J Assist Reprod Genet. 18・1. 23-27 (2001)