2002 Fiscal Year Annual Research Report
卵胞アポトーシスの制御機構に着目した卵巣機能不全の病態解明の研究
Project/Area Number |
12671581
|
Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
久具 宏司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30322051)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大須賀 穣 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80260496)
百枝 幹雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50221627)
矢野 哲 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90251264)
|
Keywords | 卵巣 / アポトーシス / 抗癌剤 / 卵巣機能不全 |
Research Abstract |
前年度までの結果から、卵巣機能不全の発生にアポトーシスが関与することが改めて明らかとなった、今年度は臨床上重要視されている抗癌剤による化学療法後の卵巣不全の発生へのアポトーシスの関与を検討した。卵巣癌治療に使用されることの多いDocetaxel(DT)を検討の対象とした。【方法】(1)B6C3F1雌マウスに生後6、7週でDTを腹腔内投与し、9週で卵巣を摘出、連続切片を作製しアポトーシスの有無を観察した。(2)4週齢B6C3F1雌マウスにPMSで過排卵刺激した後、顆粒膜細胞を採取、DT 10、100nM、1μM存在下に、24、48時間培養し、MTTアッセイ法で生細胞活性を測定した。(3)(2)と同様に培養した顆粒膜細胞の細胞周期からみたアポトーシス陽性率を、flow cytometryで観察した。(4)4週齢B6C3F1雌マウスを排卵誘発し未受精卵を採取、DT 100nM存在下で48時間培養し、卵細胞の形態的変化を観察後、トリプル染色を行いアポトーシスの有無を検討した。【成績】(1)卵胞数は、DT5、20、100mg/kg投与群で各々対照の70.0、56.4、47.6%に減少し、特に原始卵胞の減少が著明であった。(2)顆粒膜細胞はDT 100nM存在下で24、48時間後にそれぞれ対照の79.4±2.4(mean±SEM)、70.3±2.0%と有意に減少したb(3)DT群では対照に比し、アポトーシス分画であるsubG1期の細胞数が、濃度(10nM〜1μM)と時間(24〜72時間)に比例して増加した。(4)DT群では、未受精卵の49.2%が形態的にfragmentationを起こし(対照;10.1%)、トリプル染色にてTUNEL、rhodamine、Hoechst陽性となった。【結論】DTは、顆粒膜細胞だけでなく卵細胞にもアポトーシスを誘導することより、卵への直接作用が示唆された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Yutaka Osuga, Koji Kugu, et al.: "Effects of gonadotropin-releasing hormone analog treatment on skin condition"Gynecological Endocrinology. 16・1. 57-61 (2002)
-
[Publications] Xiaohui Tang, Tetsu Yano, Koji Kugu, et al.: "Cellular mechanisms of gruoth inhibition of human epithelial ouarian cancer cell line・・・・・"The Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism. 87・8. 3721-3727 (2002)
-
[Publications] Shunsuke Nakagawa, Koji Kugu, et al.: "The evaluation of the sentinel node successfully conducted in a case・・・・・"Gynecologic Oncology. 86・3. 387-389 (2002)
-
[Publications] Akihisa Fujimoto, Mikio Momoeda, Koji Kuga, et al.: "Human chorionic gonadotropin combined with progesterone for luteal support improves・・・・・"Journal of Assisted Reproduction and Genetics. 19・12. 550-554 (2002)
-
[Publications] 田中敏章, 久具宏司, 他: "中枢性思春期早発症女児における性腺抑制療法終了後の排卵性月経の評価"ホルモンと臨床. 50・12. 1139-1144 (2002)
-
[Publications] 森田豊, 久具宏司, 他: "Annual Review内分泌・代謝2002の分担執筆(胎児期における卵子数調節機序)"中外医学社. 7 (2002)