2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト卵巣癌における内因性および獲得性薬剤耐性に関する細胞病理学的研究-YB-1ならびにcMOAT1/MRP2遺伝子を中心に-
Project/Area Number |
12671612
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平川 俊夫 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (20218770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 顕三 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30294929)
小林 裕明 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (70260700)
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Keywords | 薬剤耐性 / 卵巣癌 / YB-1 / cMOAT1 / MRP-2 / P糖蛋白 / MRP-1 / MRP-3 |
Research Abstract |
本研究は、卵巣癌における化学療法抵抗性の克服を目的として、薬剤耐性関連蛋白のうち特にYB-1蛋白、ならびにMRP-2をはじめとしたABCスーパーファミリーの多剤耐性遺伝子蛋白について、卵巣癌細胞における発現と化学療法抵抗性との関連の解析を行うものである。 YB-1蛋白については、in vivo樹立シスプラチン耐性卵巣癌株と親株とを遠心分離法により核分画と細胞質分画とに分け、それぞれにおけるYB-1蛋白量をウェスタンブロット法を用いて定量し比較検討した。その結果、耐性株において核内のYB-1蛋白量が有意に高かった。また免疫組織学的に検討しても同様の傾向がみられた。さらに、臨床的に初回治療後一旦寛解を得た後に再発した卵巣癌症例で、原発腫瘍組織と再発組織に対してそれぞれYB-1蛋白の局在を免疫組織学的に検討したところ、再発組織にYB-1蛋白の核内局在が多いとの結果を得ている。これらのことは、卵巣癌の内因性耐性ならびに獲得耐性機構にYB-1蛋白が関与している可能性を示唆している。 cMOAT1/MRP-2に関しては、さらにP糖蛋白とMRP-1、MRP-3を検討対象に加えて免疫組織科学的検討ならびにRT-PCR(TaqMaq Man法)をもちいたmRNAの半定量的評価を行うよう実験計画の一部変更をしており、現在予備実験中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K Sonoda, et al.: "The clinical significance of tumor-associated antigen RCAS1 expression in the normal, hyperplastic and malignant uterine endometrium"Gynecologic Oncology. 79. 424-429 (2000)
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[Publications] K Ohshima,K Sonoda, et al.: "Expression of RCAS1 and FASL in human trophoblasts and uterine glands during pregnancy : the possible role in immune privilege"Clinical and Experimental Immunology. (In press). (2001)