2000 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロンによる子宮内膜の増殖・分化の調節機構に関する研究
Project/Area Number |
12671620
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
榊原 秀也 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (60235140)
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Keywords | インターフェロン / 子宮内膜 / PKR / MxA / IRF-1 / IRF-2 |
Research Abstract |
インターフェロンの子宮内膜に対する作用を検討する目的で、インターフェロン誘導物質であるdouble-stranded RNA-dependent protein kinase(PKR)、MxA、interferon regulatory factor-1(IRF-1),IRF-2のヒト子宮内膜における発現について検討した。その結果いずれのインターフェロン誘導蛋白質もヒト子宮内膜においてインターフェロンにより時間依存性、用量依存性に誘導されることが明らかになった。PKRは細胞増殖やアポトーシスなどの細胞の機能発現に重要な役割を果たすことが知られており、インターフェロンの子宮内膜における作用発現に関与している可能性が高い。MxAは抗ウィルス作用を有することが知られており、子宮内膜における抗ウィルス作用を担っている可能性がある。これに対し、今回我々はヒト各組織におけるMxA mRNAの発現について検討し、この発現量が各組織においてほぼ一定であることを明らかにした。これにより、MxAがウィルス感染時にインターフェロンにより誘導されて抗ウィルス作用を果たすという従来考えられて来た役割の他、恒常的に何らかの役割をヒト各組織において担っている可能性があると考えられる。IRF-1、IRF-2も細胞増殖に関して重要な役割を担っていると考えられておりインターフェロンのヒト子宮内膜における作用発現に重要な役割を果たしていると考えられる。またこれらのインターフェロン誘導蛋白のヒト月経周期における発現量の変化を検討したところ、各蛋白質において必ずしもその変化が一定ではないことが明らかになった。従ってこれらのインターフェロン誘導蛋白質は、おのおのインターフェロン以外の因子によっても発現の制御をうけている可能性が示唆された。
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