2000 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者体外受精卵に対する卵細胞質移植による胚発育改善の基礎研究
Project/Area Number |
12671628
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
神野 正雄 杏林大学, 医学部, 助教授 (00162826)
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Keywords | 卵細胞質 / 細胞質移植 / 体外受精 / 胚発育 / 加齢 / 電気細胞融合 |
Research Abstract |
実験1:8週齢(若年群)と7カ月齢(高齢群)のマウスにPMSとhCGで過排卵誘発し、交配し、hCG投与約20時間後に卵管より前核期胚を回収した。高齢群の前核期胚を5μg/mlのcytochalasine Bにて約15分培養し、micromanipulatorで前核を抜核し、それを同様にして抜核された若年群の細胞質の入っている囲卵腔に注入し、電気細胞融合させた。予備実験3回で計24個の高齢群卵の前核を計24個の若年群卵の囲卵腔に入れることを試みたが、手技的問題から全て破壊された。次の予備実験3回では、計24個の卵に試み8個で囲卵腔注入に成功した。しかしながら電気細胞融合を試みたが、8個とも培養皿に固着し、回収不能となって破壊された。検討の結果アルブミン0.3mg/mLの添加で卵の固着が防げることが判明し、さらに実験を計6回行い、計53個の高齢群卵の前核を若年群卵の囲卵腔に入れ、計26個が生存し、電気細胞融合刺激を与え全卵回収した。12時間培養後22個は変性し、3個は1細胞のままで、1個は大小不同の2細胞となってその後発育を停止した。電気細胞融合の技術的問題と考え、2細胞期胚を採卵しこれに電気細胞融合刺激を与えて培養する予備実験を計6回追加した。計82個の2細胞期胚を用い、電気細胞融合条件に種々の改良を検討したが、計3個の胚が6細胞期まで発育したのみで改良に成功できなかった。本年度の研究は、電気細胞融合が克服できず、この段階で期末となった。そこで平成13年度では、電気細胞融合を用いる方法は中止し、クローン技術で近年進歩し普及しつつある直接核を細胞質内に注入する方法を行うことに変更し、クローンをしている筑波大の研究室を見学し、技術研修した。実験2は実験1が不調のため施行できなかった。
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