2001 Fiscal Year Annual Research Report
嗅粘液性嗅覚障害の病態解明のための分子生物学的研究
Project/Area Number |
12671655
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西村 俊郎 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (80251958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 正 金沢大学, 附属病院, 助手 (10272965)
三輪 高喜 金沢大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20229909)
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Keywords | 嗅上皮 / 嗅粘液 / Na^+, K^+-ATPase |
Research Abstract |
本年度の研究では、嗅粘液の電解質濃度の維持や調整の機構について検討した。正常ラットの嗅上皮におけるイオン恒常性維持機構として、ナトリウムポンプであるナトリウム・カリウムアデノシントリフォスファターゼ(sodium, potassium-adenosine triphosphatase, Na^+, K^+-ATPase)を免疫組織化学的染色法により、またナトリウム・プロトン交換輸送体(sodium/proton exchanger, NHE)を定量的PCR法により検索した。また、グルココルチコイドレセプターの発現を免疫組織化学的染色法により検索をした。さらに、硫酸亜鉛を点鼻した嗅覚障害モデルでも同様に検討した。 正常ラットでは、Na^+, K^+-ATPaseはBowman腺の腺管で最も強く発現が見られ、そのほかにBowman腺の腺房細胞や嗅細胞でも発現が見られた。またNHEの発現では検索した5つのアイソフォームのうちNHE-1が、嗅上皮でその生理的役割が期待できる量のmessenger ribonucleic acid (mRNA)の発現が確認された。また、グルココルチコイドレセプター抗体は支持細胞の鼻腔側の細胞質で最も強く見られ、そのほかに支持細胞の基底側面の細胞質でも発現が見られた。 嗅覚障害モデルでは、嗅上皮の回復過程において嗅上皮の再生とともにNa^+, K^+-ATPaseやグルココルチロイドレセプターも再生することが観察され、これは行動学的な観点でも嗅刺激性行動観察法により嗅覚障害の改善が確認された。以上の結果から、嗅粘液の電解質の維持や調節にNa^+, K^+-ATPaseやNHE-1が関与し、さらにグルココルチコイドレセプターの制御を受けている可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nishimura T, Teranishi S, Kawashima A, Ishimura T, Miwa T, Furukawa M: "Glucocorticoid Enhances Na^+/K^+ ATPase mRNA Expression in Rat Olfactory Mucos during Regeneration: A Possible Mechanism for Recovery from Olfactory Disturbance."Chem Senses. 27・1. 13-21 (2002)
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[Publications] Miwa T, Furukawa M, Tsukatani T, Costanzo RM, DiNardo LJ, Reiter ER: "impact of olfactory impairment on quality of life and disability"Arch Otolaryngol Head Neck Surg.. 127・5. 497-503 (2001)
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[Publications] Ishimaru T, Hatanaka S, Miwa T, Furukawa M: "Clinical bitterness masking test for phantogeusia"Chem Sense.. 26・1. 91-93 (2001)