2000 Fiscal Year Annual Research Report
アンギオスタチン・エンドスタチン遺伝子導入とその発現機序の解析
Project/Area Number |
12671659
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
峯田 周幸 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40190714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 聡 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (10242760)
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Keywords | VEGF / アンギオスタチン / エンドスタチン |
Research Abstract |
癌の進展に不可欠な要因である血管新生においてその促進因子の一番強力なものはVEGF(Vascular endothelial growth factor)である。今回我々はVEGFの発現が頭頸部癌にいかなる影響を及ぼしているか研究した。その結果VEGFは中咽頭癌や喉頭癌に高発現しており、かつリンパ節転移を有する群に多く発現していた。また癌の増殖と因果関係が深いGlut1(Glucose transporter 1)の発現について検討した。その結果、Glut1の発現は癌細胞だけにみられ、増殖能の高い細胞に高発現していた(Ki-67との相関関係をみた)。実際、Glut1の発現はstageIIIとIVの進行癌に有意にみられ、予後に影響していた。FHIT(Fragile Histidine Triad gene)と頭頸部癌との関係も調べたが、FHITの発現と臨床病理学的因子との間には何ら相関はなかった 次に、血管新生を抑制するものとして、angiostatinとendostatinが知られている。そこで我々はangiostatinとendostatinの遺伝子をExpression vector pFLAG-CMV-1ベクタ-に導入して、カチオニックリポフェクション法で培養細胞(ヒト甲状腺癌細胞)に導入し48時間後に培養細胞からタンパクを抽出した。endostatinを導入した細胞はNOS活性が低下していた。Endostatinを発現させると、生理活性因子であるNOS活性が低下することは、Endostatinの作用機序の一つがNOS経由でおこることをしめし、Endostatinのもつ腫瘍の増殖抑制がこの系で起こりうることを示唆している。現在我々は、NOS活性の変化を転写レベルでみるためにNFKBの変化を調べている。
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