2001 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性鼻炎における気道上皮の密着結合のバリアー機能変化の分子機構の解明
Project/Area Number |
12671660
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹内 万彦 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (50206942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸岡 睦子 三重大学, 医学部, 助手 (10314113)
間島 雄一 三重大学, 医学部, 教授 (60024791)
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Keywords | ロイコトリエン / トロンビン / 気道上皮細胞 / 膜抵抗 / 透過性 / 密着結合蛋白 |
Research Abstract |
ヒト気管上皮細胞培養細胞であるCalu-3を用いて、ロイコトリエンD4(LTD4)とトロンビンが上皮を介する膜抵抗とマンニトールとアルブミンの透過性に及ぼす影響につき検討した。10^<-6>MLTD4の投与により、経時的に膜抵抗は低下し、30分後の膜抵抗はLTD4の濃度依存的に低下し、cys-LT1受容体拮抗薬の前投与によりこの低下は抑制された。しかしながら、10^<-6>MLTD4はマンニトールとアルブミンの透過性を変化させなかった。一方、トロンビンは、10^<-7>M〜10^<-8>Mの範囲では上皮を介する膜抵抗に影響を及ぼさなかったが、マンニトールの透過性を亢進させた。また、LTD4とトロンビンがNCI-H292細胞の密着結合蛋白のmRNAに及ぼす影響をRT-PCR法で調べたところ、10^<-6>M LTD4はZO-1,ZONAB,オクルディンのmRNAの発現を、10^<-8>Mトロンビンは、ZO-1 mRNAの発現を有意に低下させた。以上より、LTD4およびトロンピンは密着結合蛋白mRNAの発現を抑制することで密着結合のバリアー機能変化をもたらすと考えられた。 また、各種気道上皮細胞におけるクローディンファミリーの発現を検討したところ、正常下鼻甲介の擦過片では主にclaudin-4と7が発現しており、鼻茸の細胞ではclaudin-4と7以外に、claudin-2,9,10,14などの多くのクローディンファミリーの発現がみられた。一方、下気道の培養細胞のNCI-H292細胞ではclaudin-2と4が、Calu-3細胞ではclaudin-2が発現しており、各種上皮細胞により異なるクローディンファミリーの発現がみられた。
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