2000 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部腫瘍に対する細胞障害性(キラー)リンパ球による新しい治療法の開発
Project/Area Number |
12671675
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
野田 寛 琉球大学, 医学部, 教授 (10045239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古謝 静男 琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (60161923)
田邊 將夫 琉球大学, 医学部, 助教授 (30049077)
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Keywords | 頭頸部腫瘍 / 細胞障害性(キラー)リンパ球 / 腫瘍免疫 / X-染色体遺伝子産物 / 腫瘍特異的移植抗原 / 骨髄細胞 |
Research Abstract |
抗腫瘍免疫に於いて最も重要な事は、腫瘍にとっての真に特異的な抗原(腫瘍特異的移植抗原TSTA)を見い出す事である。従来云われてきたTSTAとは、そのTSTAのペプチドが、その腫瘍の主要組織適合抗原(MHC)に提示され、細胞障害性T細胞(CTL)によって認識される。1つの腫瘍では、複数のTSTAが見い出される。 我々は、ここ10年CTLの特異性に関する研究を行い、ある条件下では、CTLが刺激細胞上のある特異的な抗原(X-染色体遺伝子産物)を認識する事を見い出した。CTLを誘導するためのリンパ球混合培養に骨髄細胞をアクセサリー細胞として添加すると、誘導されたCTLは刺激細胞上のアロのMHCと同時に、その細胞上のX-染色体遺伝子産物を認識する。すなわち、CTLはdualなreceptorをもち、2つの抗原を別々に認識する事を見い出した。この条件下で誘導されるCTLは、アロのMHCに拘束されると同時にアロのX-染色体遺伝子産物にも拘束された認識を示す。 この事より、この培養条件下ではX-染色体遺伝子産物は免疫応答調節を担い、MHCに匹敵する重要な抗原と考えられる。 そこで今回、我々はX-染色体遺伝子産物に対する特異的なCTLを誘導するための最適の条件を検討し、それを抗腫瘍CTLの誘導に応用する。リンパ球上のX-染色体遺伝子産物に匹敵する抗原が、腫瘍細胞上に存在するか同定を試みる。 目下我々は、アロの刺激細胞を用いたリンパ球混合培養、及び、コンカナバリンAを用いたポリクロナールなCTL誘導の、2つの方法を用い検討し、X-染色体遺伝子産物に特異的なCTL誘導のための至適な条件を見い出している。
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