2001 Fiscal Year Annual Research Report
HPV16E7を発現させた頭頸部上皮細胞の分化およびアポトーシス感受性の解析
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12671687
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
堤 康一朗 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (40217344)
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Keywords | HPV16 / 頭頸部上皮細胞 / 分化 / アポトーシス / pRb |
Research Abstract |
本研究の目的は、喉頭上皮細胞などの頭頸部上皮細胞のアポトーシス感受性メカニズムにおけるpRbの役割を明らかにしていくことである。平成13年度(2001年度)は、野生型HPV16E7のみを発現するベクタ-を頭頸部(喉頭)上皮細胞に導入してE7発現細胞を作製(pRbはE7の発現によって不活化されているがP53は正常に機能するものと予想された)し、複数のアポト-シス誘導シグナル((1)抗Fasモノクローナル抗体=CH11や(2)DNA-damaging薬剤抗がん剤=シスプラチンおよび5-Fu)を与えてその際のアポトーシス感受性変化を解析した。作製したHPV16E7発現細胞にはpRbが分解(発現レベルの減少)されていた(pRbは不活化されているものと解釈した)ものと、ほとんどpRbの発現レベルに変化のないもの(pRbが不活化されているかの詳細は不明)があった。しかしCH11の誘導するアポトーシスへの感受性はどちらも上昇した。また、HPV16E7発現細胞では正常細胞と比較して野生型P53蛋白(p53)の発現レベルが上昇していたが、CH11誘導性アポトーシスの増強は、p53発現が検出不能レベルにあるHPV16不死化細胞(HPV16E6がp53を分解する)でも、継代培養中にp53遺伝子に変異が生じたHPV16E7発現細胞でも観察されなかった。これらの結果から、pRbの不活化が頭頸部上皮細胞のCH11誘導性アポトーシスに対する感受性を増強する可能性もあるが、その増強反応はp53の状態に依存していることが考えられた。ものと思われる。現在DNA-damaging薬剤の誘導するアポトーシスに関して実験中である。
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