2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671693
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
松田 素子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生障害学部, 主任研究員 (40165832)
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Keywords | 内耳発生 / ネスチン / ラット胚 / 全胚培養 / カリクリンA / 甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
1.カリクリンA(CA)、及びK252a処理ラット胚における聴神経節細胞発生 SDラット9.5日胚をCAあるいはK252aを含むラット血清中で全胚培養し、聴神経節細胞分化を調べた。50nMCA処理で胚は発生しなかったが、20nM処理で胚は対照と同様に発生した。処理胚の内耳発生は対照と同様であった。対照と同様、発生期内耳にネスチン染色は見られなかったが、将来、顔面・聴神経節になる神経堤細胞集団で、対照では繊維状に見られる染色が点状に認められた。それらの神経堤細胞集団の形状・量は、対照とほぼ同様であった。 500nMK252a処理で変型胚が出現したが、100nM処理では胚発生、あるいは内耳発生は対照と同様であった。神経管、あるいは将来、顔面・聴神経節になる神経堤細胞集団でのネスチン染色も対照とほぼ同様であった。 これらの結果は、将来、顔面・聴神経節になる神経堤細胞集団の遊出にネスチンは関わっていないことを示唆している。 2.甲状腺ホルモン抑制胚における内耳発生 プロピルチオウラシル(PTU)を3ヵ月令雌ラットに投与(0.2%、2μl/BW)すると、24時間後に、血中T3濃度が有為に低下していた。T4に変化は見られなかった。PTUを妊娠10.5日ラットに投与し、24時間後に胎仔の内耳発生を観察した。内耳の形態形成は対照と同様であった。しかし、点状のネスチン染色が、将来、顔面・聴神経節になる神経堤細胞集団で観察された。それらの細胞集団のBrdU取り込みは対照に比べ有意に増加していた。 これらの結果から、甲状腺ホルモンは将来、顔面・聴神経節になる神経堤細胞集団の増殖に関わっていることが考えられる。
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Research Products
(1 results)