2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671701
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
谷口 徹 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (30179840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 和秀 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (40234067)
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Keywords | 眼圧 / アドレノメデュリン |
Research Abstract |
近年新たに発見された血管拡張性ペプチドであるアドレノメデュリン(AM)の、眼での発現と作用を検討した。まずラット毛様体でのAMmRNAの発現を、RT-PCR法を用い検討した。また家免の一眼にAM(10^<-7>-10^<-4>M)20μlを硝子体内投与し、その後の眼圧を経時的に測定した。別の家兎で、AM-(22-52)(AM受容体拮抗薬、10^<-3>M)またはCGRP-(8-37)(CGRP1受容体拮抗薬、10^<-3>M)を一眼に投与した30分後に、両眼にAM(10^<-6>M)を投与し眼圧を測定した。さらに、AM投与6時間後の房水中のタンパクおよびサイクリックAMP濃度を測定した。ラット毛様体で、AMmRNAの発現を認めた。家免で、AM(10^<-6>-10^<-4>M)は眼圧を著明に下降させ、その作用は投与4〜8時間後に最大となった。またAMの眼圧下降作用は、用量依存性(10^<-7>-10^<-4>M)であった。AM(10^<-6>M)の眼圧下降作用を、CGRP-(8-37)は有意には抑制しなかったが、AM-(22-52)は完全に抑制した。AM(10^<-6>M)は、房水中のタンパク濃度に有意の変化を及ぼさなかった。高濃度(10^<-5>M)のAMは、有意にタンパク濃度を増加させ、その増加はAM-(22-52)とCGRP-(8-37)のいずれの前処置でも抑制された。またAM(10^<-5>M)は、サイクリックAMP濃度には変化を及ぼさなかった。本研究により、AMは毛様体で発現し、AM受容体を介して眼圧を下降させることが判明した。AMが眼圧調節に関与している可能性が示唆された。
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