2000 Fiscal Year Annual Research Report
ティッシュエンジニアリング手法を用いた皮膚再建に関する研究
Project/Area Number |
12671754
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
熊谷 憲夫 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (30103477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 肇 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (60193603)
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Keywords | 真皮 / 再生組織 / 培養表皮 / 線維芽細胞 / ゼラチン |
Research Abstract |
本年度の研究において、ゼラチンスポンジにあらかじめ培養されていた線維芽細胞を播種後、この細胞が増殖し立体的な線維芽細胞マトリクスを作成するか否かについて検討した。その結果、一立方センチに106細胞の割り合いで線維芽細胞を培養すると組織化学的所見(HE染色)を見る限り極めて早期(2-4日)に立体的な増殖が認められ、10日-14日後にかなりの高密度でゼラチンスポンジ中に細胞が増殖している事が確認された。その後この再生真皮が移植された後に、血行が再開される迄の間貧栄養におかれた時どの程度の期間細胞が生存しているかを検討するため、この細胞の培地交換を行わず長期に渡り貧栄養の状態を維持した。その結果少なくとも2週間は細胞を維持でき、この貧栄養状況から培地を交換し至適条件に復帰すると、この残存していた線維芽細胞は再増殖できた。これらの結果は、共同研究者の井上が以前に報告している線維芽細胞の高濃度培養はオートクリン、パラクリン機構によって細胞機能を維持し低栄養条件に抵抗しているとする結果(J.Cardiovascular Surg.,40,435-438,1999)を支持していた。 次年度この培養をアルギン酸複合体マトリクス内で、線維芽細胞をゼラチン内に懸濁した状態で低栄養高密度立体培養を行い、組織化学的検討を行う予定である。アルギン酸マトリクスは物理強度に優れ、ゼラチンの様に脆弱では無くこの意味で取扱いが容易である。同時にこれら再生組織からのVEGF産生を検討する事で、真皮層への血管新生とそのメカニズムを生化学的に検討する予定である。
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