2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671755
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
川上 重彦 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50177648)
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Keywords | 人工真皮 / 新生血管 / 鋳型血管像 / 皮膚移植 |
Research Abstract |
材料と方法 日本産成体家兎の耳介に方形(10×10mm)の耳介軟骨を含む皮膚欠損創を2ヵ所、両側で計4ヵ所作製した。うち2ヵ所に人工真皮を貼付(貼付創)、残り2ヵ所は無処置とし(対照創)、創作製後3日、1週、2週、3週、4週目に両耳介を切断し、これを鋳型血管標本と光顕標本(H-E染色、PECAM-1免疫染色)に供した(実験1)。ついで、同様の実験創において創作製後1週目に背部から採取した薄目分層皮片(20/1000 in.)を移植し、移植後1週に耳介を切断し同様の観察を行った(実験2)。 結果 1)鋳型血管像をみると、貼付創では貼付後1週目までは対照創に比べて新生血管はまばらでその伸長方向も一定ではなかったが、2週目になると人工真皮内全域に新生血管の伸長を認め、3週目以降には対照創のような皮膚欠損創に形成される肉芽組織内でみられる典型的な求心性血管構築像とほぼ同様の構築像を示した。また、同時期の光顕所見(H-E像)では人工真皮のアテロコラーゲン架橋構造は消失していたPECAM-1免疫染色所見でも貼付後1週頃、コラーゲンスポンジ深層に新生血管の管腔形成を示す染色陽性所見を認め、その後の管腔形成像も鋳型血管像と同様の推移を認めた。 2)移植皮膚の生着は不安定で、完全生着した検体は認められなかった。その時点(貼付後2週、移植後1週)での移植皮片下の新生血管像は非移植創の像と類似していた。
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