2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規転写調節遺伝子OASISの歯胚発生過程での発現と機能の解析
Project/Area Number |
12671767
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 穣慈 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90243245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 秀郎 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (20303977)
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Keywords | 歯胚 / 発生 / 遺伝子 / OASIS / in situ / ハイブリダイゼーション / マウス / RNA |
Research Abstract |
胎生12日のマウス胚より、RT-PCR法を用いてOASIS遺伝子を単離し、pGEM-T Easyベクタに組み込み、アンチセンスRNAプローブおよびセンスRNAプローブを作成した。センスプローブは対照実験に用いた。これらのプローブについては、電気泳動によりその分子量を調べ、正しいプローブであることを確認した。そこで、胎生12日以降のICRマウス胎仔を摘出しその頭部を4%パラホルムアルデヒドにて浸漬固定した。通法に従い10μmのパラフィン薄切切片とし、プレパラートに貼付し、ディゴキシゲニン(Dig)にてラベルされたプローブにより、ハイブリダイゼーション反応を行い、OASIS遺伝子の発現と消長を検索した。 胎生12-16日以降の歯胚について、発生段階に応じて比較検討した結果は以下の通りである。胎生12日では、歯提およびその周囲には陽性反応を認めなかった。胎生14日では、蕾状期の臼歯および切歯歯胚の上皮にDig陽性反応が認められ始めた。胎生16日の帽状期の臼歯歯胚では内エナメル上皮に、切歯歯胚では上皮であるアピカルループおよび間葉である前象牙芽細胞にDig陽性反応が認められた。 以上より、本年度はまず、OASIS遺伝子は歯の発生段階に応じて、部位及び時期特異的に発現することを明らかとした。よってOASIS遺伝子は、歯胚発生に必須な因子であり、歯胚の形態形成に重要な役割を果たしている可能性が示された。
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[Publications] J-G.Liu et al.: "Parathyroid hormune-related peptide is involved in protection against invasion of tooth germs by bone via promoting the differentiation of osteoclasts during tooth development."Mechanisms of Development. 95. 189-200 (2000)
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[Publications] J.Kato: "Gene expression in the trigeminal and cervical dorsal root ganglia after experimental inflammation of the rat temporomandibular joint."Acta Anatomica. (in press). (2001)
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[Publications] 加藤穣慈: "歯根と根管の形態学 カラーアトラス治癒の歯内療法"クインテッセンス出版. 36 (2000)
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[Publications] 月星光博: "アペキシフィケーションとアペクソジェネシス カラーアトラス治癒の歯内療法"クインテッセンス出版. 23 (2000)