2000 Fiscal Year Annual Research Report
成熟破骨細胞における細胞外Ca^<2+>およびPO_4^<3->感知機構とその骨吸収調節機構の解明
Project/Area Number |
12671780
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 助教授 (90164772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米川 正好 明海大学, 歯学部, 教授 (40049367)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収活性 / 細胞外Ca^<2+> / 細胞外PO_4^<3-> / Ca^<2+>感知受容体 / Na / Pi cotransporter-2 |
Research Abstract |
破骨細胞の形成、機能発現に関して、種々ののサイトカイン・ホルモン・成長因子が関与することは多くの研究から報告されている。破骨細胞が骨を吸収するにしたがって、破骨細胞は骨からの約40mMという高濃度の細胞外Ca^<2+>と細胞外PO_4^<3->にさらされることになる。この40mMという濃度は他の組織では考えられない高濃度であり、本来、破骨細胞は骨を溶解し、多量のミネラルを放出することが主たる機能であることを考えると、それら高濃度のイオンが破骨細胞の機能調節に何らかな役割を持つことは容易に想像される。本研究は破骨細胞の細胞外Ca^<2+>とPO_4^<3->の感知機構の解明と、細胞外Ca^<2+>とPO_4^<3->の破骨細胞の機能に対する作用を明らかにすることを目的とした。 I.成熟破骨細胞のの骨吸収活性に対する細胞外Ca^<2+>とPO_4^<3->の作用の解析。 細胞外Ca^<2+>とPO_4^<3->濃度の変化が、どのように成熟破骨細胞の骨吸収活性に作用するかを純粋成熟破骨細胞の象牙片上での培養系を用いて検討した。細胞外Ca^<2+>の作用に関して、培養液中のCa^<2+>が増加するに従って破骨細胞の骨吸収活性は有意に低下し20mMでは本来の濃度2mMの時の値の約25%まで減少した。また、CaSRのアゴニストであるGdとneomycinもCa^<2+>と同様に骨吸収活性を減少させた。細胞外PO_4^<3->の作用に関しても、培地中のPO_4^<3->濃度が増加するに従って破骨細胞の骨吸収活性が低下した。これらの事から、破骨細胞は細胞外Ca^<2+>とPO_4^<3->濃度変化を感知する機構を有していること。それらイオンが破骨細胞の機能を抑制することが示された。 II.成熟破骨細胞に発現している細胞外Ca^<2+>感知受容体とPO_4^<3->輸送体の同定。 成熟破骨細胞が細胞外Ca^<2+>感知受容体とPO_4^<3->輸送体の発現しているかをRT-PCR法と増幅産物の塩基配列解析およびNorthern blot解析から検討した結果、破骨細胞には副甲状腺に発現しているCa^<2+>感知受容体と90%のホモロジーを持ったCa^<2+>感知受容体と腎タイプのNa/Picotransporter-2が発現していることが確認できた。
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