2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671782
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
立川 哲彦 昭和大学, 歯学部, 教授 (10085772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相田 忠輝 昭和大学, 歯学部, 助手 (10307051)
入江 太朗 昭和大学, 歯学部, 講師 (00317570)
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Keywords | 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 扁平上皮癌 / P21doc-1 / アポトーシス / 癌浸潤 / 癌転移 / 細胞周期 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌は基底細胞から発生し、その細胞の細胞分化と増殖が相反する特徴を有している。この現象は基底細胞の細胞分化調節機構の破綻といえる。しかしながら、浸潤した癌細胞は新たに細胞分化形態をとり、転移部でも母細胞の性格が発現する。これらの細胞分化は遺伝子により制御されるが、口腔癌特有の細胞分化と関連した癌遺伝子は明らかでない。本研究では口腔扁平上皮癌の制御因子と考えられるp21doc-1が扁平上皮癌細胞の分化と増殖にいかなる関連を有し、そのメカニズムの解明を目的として検索した。その結果、口腔扁平上皮癌でのp21doc-1の発現は低下しており、癌細胞の浸潤部では明らかな低下を認めたことより癌細胞の増殖、浸潤と相関することが判明した。加えて、細胞周期の制御因子であるCDK2の発現との関連を検索したところ、p21doc-1はCDK2と結合を示したことより、p21doc-1が細胞周期の制御機構に作用することが示唆された。このことから、細胞増殖の抑制と細胞周期制御の関連性が考えられるために、タネル法を用いたアポトーシスの出現とp21doc-1の発現相関を検索した。正常扁平上皮細胞ではアポトーシスを示す陽性細胞は傍基底細胞に出現する率が高かった。しかしながら、扁平上皮癌細胞では陽性細胞の出現は非常に強く減弱しており、散発的にしか陽性細胞を認めなかった。一方、扁平上皮癌細胞におけるp21doc-1の出現は前述したごとく、減弱し、陽性細胞はランダム、散発的にしか認めなかった。以上のことから、p21doc-1は細胞増殖抑制と強い相関を示していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tsuji, T, et al(6): "Induction of epithelial differentiation and DNA demethylation in hamster malighant oral keratinocyte by orinitine carboxylase entizime"Oncogene. 20. 24-33 (2001)
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[Publications] Tachikawa, T., (7): "A new method of in situ zymography for matrix mettalloproteinase of oral squamous cell carcinama"Oral Oncology. 7. 471-480 (2001)
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[Publications] Niino, Y., at al(6): "PKC-etaII, a new isoform of protein kinase C specifically expressed in the seminiferous tubules of mouse testis"J.Bio.Cem. 276. 36711-36717 (2001)
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[Publications] Kohno, Y., et al(8): "Apoptosis, proliferation and peldoc-lprofiles in nomal, dysplastic and malignant squamous epithelium of the Syrian hamster cheek pouch model"Oral Oncology. 7. 1-7 (2001)
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[Publications] Kawajiri, S., et al(4): "Expression of the active type gelatinase of oral clqua mous cell carcinoma"Oral oncology. 7. 529-532 (2001)
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[Publications] 立川哲彦, 他(7): "前癌病変の病理-特に、上皮異形成と初期癌について"口腔腫瘍. 11. 364-371 (1999)