2002 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalis線毛発現調節の遺伝学的解析
Project/Area Number |
12671790
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
吉本 尚 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60084787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 祐介 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20267511)
浜田 信城 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20247315)
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Keywords | Porphyromonas gingivalis / fimA / 線毛 |
Research Abstract |
(1)前研究で開発したP.gingivalisの遺伝伝子伝達システム(宿主ベクター系)を応用し、線毛発現に関与する遺伝子fim4の伝達を行ったところ、電子顕微鏡的に可視的な線毛(リコンビナント線毛)の発現が確認された。 (2)fimA遺伝子伝達によりリコンビナント線毛を発現した菌(トランスフォーマント)では本来の線毛(親株が発現する天然線毛)の量が低下していた。 (3)リコンビナント線毛を多量に発現した菌は、付着性、共凝集性、並びに自己凝集性のいずれもが親株より低下していた。 (4)リコンビナント線毛を精製し、構成蛋白質成分を分画の上抗体を作成して同抗体のリコンビナント線毛および天然線毛に対する反応性とそれら構成成分の局在を調べたところ、リコンビナント線毛は、線毛の基本骨格であるフィンブリリンに対する抗体とのみ反応性を有するものの、天然線毛上に存在する少なくとも2種類の微量成分を欠くことが判明した。このことから、線毛はfimA遺伝子がコードするフィンブリリン蛋白以外に付随するいくつかの成分が加わった上で正常な付着活性を有するものとなることが明らかとなった。 (5)P.gingivalisと類縁のいくつかの菌種(黒色色素産生製嫌気性桿菌)から検出されたプラスミドの中からP.intermedia由来プラスミドpYHBi1の塩基配列を決定し、複製遺伝子の所在ならびにMob遺伝子の存在を確認した。また、同プラスミドが大腸菌に伝達可であることなど、遺伝子伝達ツールとしての基本的性状を明らかにした。
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[Publications] Yusuke Takahashi: "Reduced fimbria-associated activities of Porphyromonas gingivalis induced by recombinant fimbrial expression"FEMS Microbiology Letters. 9787. 1-6 (2001)
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[Publications] K.-P.Leung: "Prevotella intermedia native plasmid can be mobilized by an Escherichia coli conjugal IncP plasmid"Plasmid. 48. 64-72 (2002)