2001 Fiscal Year Annual Research Report
フェニトインによる骨形成障害発生機序におけるビタミンK_2の関与について
Project/Area Number |
12671796
|
Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小野寺 憲治 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40133988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十川 紀夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30236153)
斎藤 峻 東北大学, 歯学部附属病院, 助教授 (90005108)
篠田 壽 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80014025)
|
Keywords | 薬物誘発骨粗鬆症 / ビタミンK_2 / フェニトイン / ゾニサミド / 骨密度 / 高速液体クロマトグラフイー / メナテトレノン / オステオカルシン |
Research Abstract |
薬物による骨粗鬆症として抗てんかん薬のフェニトインが知られているが、その障害機序については依然不明であった。本実験では、抗てんかん薬のうちフェニトインとゾニサミドにつきラットにそれぞれ5週間20-80mg/kgを連日投与して,抗てんかん薬による骨密度の減少を顎骨,歯牙,大腿骨,脛骨について測定したところ,測定全領域において骨密度(BMD)の減少を認めた。ついで,この骨密度減少が既存の治療薬により予防あるいは回復が可能であるか検討を加えた.ビタミンD3およびその誘導体との併用投与が有効であることを認めている.加えて、ビタミンK2との併用投与により骨密度の減少が予防された。これらのことからフェニトインとゾニサミドにつき,薬物誘発による骨粗鬆症動物モデルとして確立することができ、論文にて報告した. また,ビタミンKに関しては,血中,骨中のビタミンK類の高速液体クロマトグラフィーを用いた分離方法とECDを用いた高感度定量法を確立し,ビタミンK_1とビタミンK_2同族体についてラット,ヒトでの応用性について検討し,十分測定可能であることを認め報告した. 一方,抗てんかん薬による骨量減少について,それら障害が,抗てんかん薬の化学構造に由来するものなのか,あるいはある種の抗てんかん薬だけに見られる特異的なものかを明らかするために,マウスの頭蓋骨の器官培養(in vitro系)を用い,骨吸収系に対して各種抗てんかん薬がどの様な影響を及ぼすか検討した.フェニトイン、ゾニサミドに関しては,フェニトインに骨直接の吸収作用があることがあることが判明しているが,ゾニサミドにはその作用が無いことを認めている. 以上の結果より、臨床の現場では、複数の抗てんかん薬を併用する場合が多いので、今後フェノバルビタール、カルバマゼピン、バルプロ酸ナトリウムなどについて検討すべき必要性があるものと思われる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 小野寺憲治: "骨粗鬆症と治療薬の最新知見 -骨粗鬆症治療薬の作用点を受容体から考る"Pharm D,. 4・2. 30-39 (2000)
-
[Publications] 若林広行 他: "HPLC-白金還元・電気化学検出器を用いた生体中のビタミンK類の高感度測定法"日本薬理学雑誌. 116. 43-48 (2000)
-
[Publications] Wakabayashi H 他: "The levels of vitamin K analogues in bone and serum of osteoporotic and osteoarthritis patients determined by the high-performance liquid chromatography with ECD method"Journal of Bone and Mineral Research. Supple. S323 (2000)
-
[Publications] Onodera Kenji 他: "Phenytoin-inducedbone loss and its prevention with alfacalcidol or calcitriol in growing rats"Calcified Tissue International. 69. 109-116 (2001)
-
[Publications] Onodera Kenji 他: "Changes in the concentration of vitamin K analogues in bone after long-term administration of zonisamide, an antiepileptic agent, in growing rats"Japanese Journal of Pharmacology. Suppl. 236 (2001)
-
[Publications] Onodera Kenji 他: "Effects of phenytoin and/or vitamin K2 (menatetr enone) on bone mineral density in the tibiae of growing rats"Life Sciences. 70(13). 1533-1542 (2002)