2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝機構におけるNa^+依存性イオントランスポーターの機能解析
Project/Area Number |
12671815
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
天野 均 昭和大学, 歯学部, 講師 (90212571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 信裕 昭和大学, 歯学部, 助手 (90286849)
鈴木 恵子 昭和大学, 歯学部, 講師 (50119187)
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Keywords | 機械的伸展刺激 / 骨芽細胞 / RT-PCR / 破骨細胞 / 吸収窩 / CSF-1 / Na^+ / Ca^<2+>交換体 / KB-R7943 |
Research Abstract |
本年度は研究の中間年として、昨年度得られた結果を参考に検索をさらに進めた。 1.骨芽細胞における検索として、われわれが開発したコラーゲンゲル内に包埋した骨芽細胞に機械的ストレスを負荷した。負荷方法は、1HZ15分間を3回(8時間周期)の伸展刺激を行った。負荷終了後に細胞を回収、total RNAを精製し、RT-PCR法にてNCX1遺伝子の発現の有無を検索した。昨年、我々は機械受容チャネルを介した細胞内Ca^<2+>の上昇が機械的負荷刺激により重要であると報告した。このことを裏付けるように、細胞内Caイオン濃度を調節するイオントランスポーターであるNCX1遺伝子発現は負荷刺激に伴い亢進していた。 2.造血幹細胞を象牙片上にて、破骨細胞へと分化させた。すると、分化した破骨細胞は吸収窩形成を起こしたが、NCX阻害薬であるKB-R7943を添加した実験群では吸収窩の形成はほとんど認められなかった。このことは、NCX阻害により、成熟破骨細胞の骨吸収にはNCX活性が重要な役割を持つことが明らかになった。また吸収窩形成には堅固な細胞接着複合体の形成も重要と考えられ、これらを構成するといわれている基質蛋白であるosteopontin遺伝子の発現の有無により大きく影響されることもKOマウスを用いた結果よりわかった。 3.in vivoにおけるトランスポーターの役割を解析する目的で新規のNCX阻害薬(Ca^<2+>influxのみを阻害する)を卵巣摘出したマウスに2日間隔で4週間腹腔注射し、DEXA法を用いた骨密度測定により骨量変化を検索した。In vitroで生じたように骨吸収を抑制し、骨密度は正常に維持された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 信川真智子, 山田庄司, 天野均: "破骨細胞形成に及ぼすジクロフェナックナトリウムの影響"歯科薬物療法. 20・3(印刷中).
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[Publications] Suzuki K, Yamada S.: "Ascites Sarcoma 180 secretes a soluble factor(s) which inhibits mineralized formation in vitro"歯科薬物療法. 20・3(印刷中).
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[Publications] Suzuki S., Zhu B., Sodeck J., et al.: "Migration and resorptive activity is impaired in osteoclasts derived from OPN-/- and CD44-/- mice"J.Bone Miner.Res.. 17(印刷中).
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[Publications] Hisamitsu T, Amano H, Yamada S, Momose K., et al.: "A mechanism of Ca^<2+> release from Ca^<2+> stores coupling to the Na^+/Ca^<2+> exchanger in cultured smooth muscle cells"Life Science. 69・23. 2775-2787 (2001)
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[Publications] 天野均, 鈴木恵子, 山田庄司: "破骨細胞におけるNa^+/Ca^<2+>交換体(NCX)の役割に関する研究"昭歯誌. 21・1. 82-85 (2001)
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[Publications] Kikuchi H., Amano H., Yamada S.: "Putative role of basement membrane for dentinogenesis in the mesenchyme of murine dental papillae in vitro"Cell Tissue Res.. 303・1. 93-107 (2001)