2001 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ節内における転移癌細胞の増殖とリンパ球による制御
Project/Area Number |
12671828
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
山本 哲也 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00200824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 登喜雄 高知医科大学, 医学部, 教授 (70031995)
木村 剛 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10294836)
植田 栄作 高知医科大学, 医学部, 助教授 (10203431)
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Keywords | ペプロマイシン / リンパ球亜集団 / 細胞傷害能 / 活性酸素 / T細胞 / IL-2 / IFN-γ / FGF-2 |
Research Abstract |
リンパ節転移巣の制御を目的に、リンパ節内への抗癌剤注入と注入抗癌剤の生物学的作用、さらには、転移リンパ節内のリンパ球について検討して以下の結果を得た。 A.注入抗癌剤の生物活性について 1.ペプロマイシン(PLM)は、至適濃度(低濃度)において、貪食細胞からの活性酸素の生成、リンパ球及び線維芽細胞からのサイトカイン産生を促進する。これらの亢進作用は、活性化シグナル(各蛋白のチロシン/セリン・スレオニンのリン酸化からNF-κBの核内移行まで)の伝達でもって実証された。 2.PLMの肺線維症モデルマウスにおいて、PLMは肺線維芽細胞からのFGF-α、TGF-β等のサイトカイン産生を促進し、FGF-αによりcollagenの産生を、TGF-βにより線維芽細胞を筋線維芽細胞へ変換した。 B.抗癌剤のリンパ節内注入による治療効果 1.PLMおよび白金製剤を直接、転移リンパ節内に注入したところ、全例にPRあるいはNCの効果が認められた。 C.リンパ節内リンパ球について 1.リンパ節内リンパ球はPBMCに比べB cellが高率(〜60%)で、CD3陽性細胞は少なく(〜10%)、CD16細胞が高率(〜15%)であること、表面マーカーは末梢血リンパ球とほとんど違いがないこと、Daudi細胞に対する非特異的細胞傷害能が劣り、扁平上皮癌細胞にはほとんど傷害性を発揮しないこと、細胞傷害能の上昇には、IL-2+IFN-γ+Dendric cellが必要であること、等が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tetsuya Yamamoto: "The upregulation by peplomycin of signal transduction in human cells"Japanese Journal of Pharmacology. 87・1. 41-50 (2001)
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[Publications] Tokio Osaki: "Peplomycin, a bleomycin derivative, induces myofibroblasts in pulmonary fibrosis"International Journal of Experimental Pathology. 82・4. 231-241 (2001)
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[Publications] 木村 剛: "頸部転移リンパ節内への抗癌剤注入療法の試み-^<60>Co外照射との併用による治療効果を中心に-"日本口腔外科学会雑誌. 47・11. 661-669 (2001)