2001 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイを用いた歯髄の石灰化に関与する因子の解析
Project/Area Number |
12671849
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川島 伸之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60272605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 明弘 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70213486)
勝部 憲一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20233760)
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Keywords | 石灰化 / マイクロアレイ / 骨芽細胞 / KusaA / KusaO / アルカリフォスファターゼ / オステロカルシン / 歯髄生物 |
Research Abstract |
石灰化に関与する遺伝子についていまだ報告されていない新たな遺伝子を発見し、その発現動態を歯髄において検討することにより、歯髄における新しい硬組織形成法が確立できるかもしれない。今回、高いおよび低い石灰化能を有する骨芽細胞様細胞における、あるいは石灰化誘導下と非誘導下における骨芽細胞様細胞における遺伝子発現をマイクロアレイにより検討し、石灰化における重要な遺伝子発現のスクリーニングを試みた。 Kusa細胞は、マウス骨髄間質細胞由来の細胞で、高いアルカリフォスファターゼ活性を特徴としている。実験にはKusaAおよびKusaOといった二つのタイプのKusa細胞を用いた。これらの細胞をディフージョンチャンバーにいれてマウス皮下に移植したところ、術後30日においてKusaAは硬組織形成を示したが、KusaOは60日経過後においても硬組織形成を示さなかった。さらにKusaAは、in vitroにおける強い石灰化結節形成、強いオステオカルシン遺伝子発現などを示し、KusaAはKusaOと比較して非常に石灰化能の高い細胞であると考えることができる。前年度、これら二つの細胞における遺伝子発現および石灰化誘導をした場合としなかった場合における遺伝子発現をcDNA Expression Array(Clontech)にて検討し、いくつかの遺伝子発現が細胞により、また石灰化誘導条件により変動していることを見出した。しかし、解析する遺伝子が588種類とけっして多くはないため、解析できなかった遺伝子が石灰化の誘導に重要な働きをしている可能性も考えられる。今年度はさらに多数の遺伝子の発現動態を解析するため、Mouse GEM(Kurabo)を用い8700クローンの解析を行なった。その結果、多数の興味ある遺伝子の発現動態に差異が認められた。現在その中における数種のクローンに着目し、KusaOに強制発現させ、フェノタイプ発現および石灰化能の変動を検討中である。
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