2001 Fiscal Year Annual Research Report
リジッド・サポートを意識したクラスプ義歯の支台装置の設計
Project/Area Number |
12671870
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三浦 美文 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50229647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 貴生 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90002229)
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Keywords | 部分床義歯 / クラスプ義歯 / レスト / 義歯の変位 / 機能圧の分散 / 義歯の設計 |
Research Abstract |
リジッド・サポートを意識したクラスプ義歯(以下Rクラスプ義歯)の設計基準を確立するために研究を進めてきたが,今回実験モデルと使用センサーの縮小化に成功した.さらに非接触型のレーザー変位計を採用することでより簡便で,材料の影響を受けずに義歯の変位を計測することが可能となった.本研究ではRクラスプ義歯の設計基準を確立する一環として,直接支台装置の設計に関して分析した. 下顎片側遊離端欠損をシミュレートした実験モデルに設計の異なる4種類の義歯を装着し,垂直静荷重を負荷した時の義歯と支台歯の変位,および支台歯歯根部の負担圧の分散を計測した.コントロールは直接支台装置に通常の遠心エーカース,Rクラスプ義歯は遠心にプロキシマルプレートと舌側に板状形態の把持腕を有し,それぞれレストを近心,遠心そして近遠心の3種類とし,間接支台装置は全てダブルエーカースとした.Rクラスプ義歯において,直接支台装置のレストの設定位置と支台歯の連結の有無による影響を検討し以下の結論を得た. 義歯床遠心部は舌側に変位しながら沈下し,リンガルバー正中部は浮上していた.支台歯歯根部の遠心と根尖で圧縮,頬側で引っ張り応力が観察された.両側性設計では,遠心プロキシマルプレートと舌側の板状形態の把持腕は義歯床の変位を抑制する効果があった.遠心レストは義歯床の沈下量は減少させ,支台歯の根尖部での負担割合を増加し,近心レストは支台歯の遠心傾斜を減少させた.支台歯を連結すると,義歯床遠心部の舌側変位と支台歯の遠心傾斜が抑制され,支台歯の根尖部での負担圧が増加した. 以上より,両側性設計を行い遠心プロキシマルプレートと舌側板状形態の把持腕を設定し,近遠心にレストを設け,可能なら支台歯を連結することが有効であると示唆された. 今後は間接支台装置の設計,残存顎堤粘膜の形状や被圧変位性の影響等についても検討する予定である.
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