2001 Fiscal Year Annual Research Report
パラレルメカニズムを利用した咀嚼ロボットの開発研究
Project/Area Number |
12671878
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00028739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 敏之 株式会社松風, 主席研究員(研究職)
横小路 泰義 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30202394)
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Keywords | パラレルメカニズム / 咀嚼ロボット / 顎運動 / 6自由度運動 / 順運動学 / 数値解析 / 顎関節症 |
Research Abstract |
これまで、6自由度運動が再現可能なパラレルメカニズムを利用して、患者の口腔内状況を示す模型を搭載し、これを空間内で自由に動かすことのできる、簡便でコンパクトな顎運動ロボットの開発研究を行ってきた。以下に、これまでの成果を要約する。 1.試作した装置は,伸縮型と開閉型の混合方式であり、ベース平面上で,互いの駆動軸が正三角形をなすように3台の電動スライダ(SPL28T2-60,オリエンタルモーター製)を配置し,開閉リンクとした。さらに各スライダの可動部より,ヒンジジョイントを介して電動シリンダ(CPL28T2-60,同)を立ち上げ,伸縮リンクとした。これら3台の伸縮リンクは,それぞれユニバーサルジョイントを経由して,最終の出力節となるプラットフォームへと連結された。総計6台の駆動装置は,制御の簡便さと精度上の利点を考慮して,すべて5相ステッピングモーターによるすべりねじ駆動方式のものを用いた。 2.このロボットの制御にはパソコン(CPU : Pentium【○!R】,インテル製)を利用しており、使用したOSはWindows 95(マイクロソフト製)およびWindows Meである。6台の駆動装置を制御するため,高機能多軸モーションコントロールボード(PI-ISA8/4,日本電産シンポ製)経由で各モータードライバと連結した。 3.パラレルメカニズムの順運動学を数値解析的に解くために、非線形問題の解法に用いられるNewton-Raphson法の改良型手法を用いて、高速に計算を収束させ解を得ることができた。 4.顎運動測定装置によって得られた,顎の動きに関するデータを入力し、この顎運動情報を再現する咬合器、すなわち咀嚼運動再現機械として作動することを確認した。
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[Publications] 堤 定美, 吉田 宏昭: "Science ヒトはどこまでデザインできるか-シミュレーションモデル歯科医工学の世界第2回「咬合と脊椎症」および「姿整と腰痛」のシミュレーション"歯科技工. 29(2). 182-184 (2001)
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[Publications] 堤 定美, 東 高志: "Scienceヒトはどこまでデザインできるか-シミュレーションモデル歯科医工学の世界第17回シミュレーション医工学としての最新MRI(核磁気共鳴撮像法)-軟組織の動き・状態を連続動画で観察"歯科技工. 29(7). 866-868 (2001)
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[Publications] Tsutsumi.S: "Information Technology for Prosthontics"Proc. 9^<th> International College of Prosthontics at Sydney. 8-9 (2001)
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[Publications] 堤 定美, 太田 信: "Scienceヒトはどこまでデザインできるか-シミュレーションモデル歯科医工学の世界第10回触感をシミュレートする-粘弾性の基礎"歯科技工. 29(10). 1306-1308 (2001)
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[Publications] 堤 定美, 南部 敏之: "Scienceヒトはどこまでデザインできるか-シミュレーションモデル歯科医工学の世界第11回人工現実感システムと顎運動ロボット-仮想と現実の狭間で-"歯科技工. 29(11). 1436-1438 (2001)