2000 Fiscal Year Annual Research Report
口腔組織再生をめざした生体吸収性材料と細胞の複合機能化
Project/Area Number |
12671880
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
平 雅之 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (60179398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺岡 文雄 大阪大学, 歯学部, 講師 (00099805)
高橋 純造 大阪大学, 歯学部, 教授 (80029149)
昆 隆一 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (80285634)
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Keywords | 口腔組織 / 組織再生 / 生体組織工学 / 生体吸収性材料 / 細胞培養 / 足場材料 / ポリ乳酸 / コラーゲン |
Research Abstract |
1.実験動物(ラット)より採取分離した生体由来初代細胞(骨髄細胞)の細胞培養を行い、増殖と分化に適した培養条件に検討を加えた。 (1)増殖については:細胞数と蛋白産生量の測定から培地にはα-MEMとDMEMが使用でき、牛胎児血清量は10%以上必要であった。ビタミンCの存在が重要であった。 (2)分化については:ALP酵素活性による解析からα-MEM培地の使用が効果的と判断された。 2.生体組織工学に用いる生体吸収性材料(すなわち、足場材料)の新規開発を目指して、天然系と合成系の吸収性材料を用いて凍結乾燥によりスポンジ体を作製し、理工学的性質に検討を加えた。 (1)天然系については:ゼラチンスポンジは吸湿性が大きく生理食塩水に溶解傾向を示した。コラーゲンスポンジとキトサンスポンジは生理食塩水中で相対的に安定であった。 (2)合成系については:ポリ乳酸系コポリマーのPLCLとPLGAのスポンジ体作製を試みた。疎水性が強く生理食塩水中では安定であった。 3.天然系吸収性材料(ゼラチンとコラーゲン)をラット背部皮下筋肉層に埋入し、生体内反応に検討を加えた。繊維被包と炎症性細胞浸潤による吸収過程が認められ、足場材料に使用可能と考えられた。 4.コラーゲンゲル中でのラット骨髄間質細胞の培養を行い増殖と分化に検討を加えた。 (1)増殖については:ビタミンC添加DMEM培地で良好な3次元細胞増殖が達成された。 (2)分化については:RT-PCR分析から、骨シアロ蛋白までの骨系分化傾向が認められた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 平雅之,中尾浩之,松本卓也,北原一慶,高橋純造,瀧智弘,岡崎正之: "血清量と2種類の成長因子(b-FGFとIGF-1)が骨芽細胞様細胞MC3T3-Elの増殖と可溶蛋白産生に及ぼす影響"歯科材料・器械. 19・5. 470-477 (2000)
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[Publications] 平雅之: "「生体融和材料から組織再生医学」細胞誘導と組織再生"バウンダリー. 19・3. 20-26 (2000)
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[Publications] M.Taira,S.M.Toguchi,J.Takahashi and M.Okazaki: "Cytotoxicity of three di-functional monomers used in dental composite resins"Journal of Materials Science Letters. 19・7. 547-548 (2000)
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[Publications] M.Taira,H.Nakao,T.Matsumoto and J.Takahashi: "Cytotoxic effect of MMA on cultured fibroblasts"International Journal of Prosthodontics. 13・4. 311-315 (2000)
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[Publications] M.Taira,M.S.Toguchi,Y.Hamada,M.Okazaki,J.Takahashi,R.Itoh,S.Toyosawa and N.Ijyuin: "Studies on cytotoxicity of nickel ions using C3H10T1/2 fibroblast cells"Journal of Oral Rehabilitation. 27・6. 1068-1072 (2000)
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[Publications] M.Taira,M.S.Toguchi,Y.Hamada,J.Takahashi,R.Itoh,S.Toyosawa,N.Ijyuin and M.Okazaki: "Studies on cytotoxic effect of nickel ions on three cultured fibroblasts"Journal of Materials Science : Materials in Medicine. 12(印刷中). (2001)