2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671907
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Research Institution | THE NIPPON DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮坂 平 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (40147773)
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Keywords | コンポジットレジン / ジメタクリレート / ベースモノマー / 合成 / 低粘度 / 物性 / 機械的性質 |
Research Abstract |
ベースモノマーを低粘度化することにより、全体の物性を低下させるおそれのある希釈剤モノマーを用いる必要がなくなり、硬化体の物性の向上が期待される。このため、新しい低粘度のモノマーをコンポジットレジンおよび接着性レジンのベースモノマーとして開発し歯科応用することを目的として研究を行った。bis-GMA類似の化合物として、ビス-フェノールAD型エポキシモノマーのメタクリル酸誘導体である、1,1-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイロキシプロポキシ)フェニル]エタンおよび関連化合物としてビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイロキシプロポキシ)フェニル]メタンを合成した。前年までの研究の結果,この合成物は副生成物を含んでいることが明らかになっているため、液体クロマトグラフィーを用いて合成物の単離を行った。この結果、得られた1,1-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイロキシプロポキシ)フェニル]エタンの粘度は、bis-GMAの約1/10程度と極めて低く、また、カンファーキノ-第三アミン系開始剤による可視光線を用いたときの光重合性もbis-GMAと同程度と優れた重合性を有することがわかった。さらに、これらの新規モノマーをベースモノマーとした重合硬化体の物性を調べた結果、bis-GMAをベースモノマーとするものと同程度の機械的強度を示した。今後は、フィラー組成や含有率との関連を含めてコンポジットレジンや接着性レジンのベースモノマーとしての可能性を検討する予定である。
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