2000 Fiscal Year Annual Research Report
疎水性モノマーを用いた新規歯科用レジン材料の開発とその生体適合性に関する研究
Project/Area Number |
12671908
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
楳本 貢三 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (40097275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 茂昭 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20104333)
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Keywords | 生体適合性 / 蛋白質 / DNA合成能 / 細胞毒性 / 合成 / 疎水性モノマー / レジン材料 / 機械的性質 |
Research Abstract |
新規疎水性モノマーであるフェニルメタクリレート(PH)を合成し、PHを含む各種メタクリレートモノマー、たとえば、ノルボニル、シクロ、ベンジル、ヘキシル、ドデシルメタクリレートなどについて細胞毒性および、それらモノマーとMMAの共重合体の機械的性質などについて検討した。これら疎水性モノマーの細胞毒性試験を行うにあたり、親水性培地への疎水性モノマーの分散性を検討した。すなわち、疎水性歯科用ベースモノマーであるBis-GMAは、細胞毒性試験の報告は多いが、研究者により結果が相違していたが、本研究により培地に対する分散性が問題であることが分かった。さらに、モノマーの培地への分散を助長する分散剤や分散媒の、種類、濃度および細胞毒性などについて検討した。その結果、分散性能や操作性が良好でかつ毒性の無いなどの全ての条件を満たす、分散剤および分散媒は、見出せなかった。ついで、蛋白質の解析より細胞に対する傷害性を評価する方法を確立するため、新規疎水性モノマーなど各種モノマーを歯髄線維芽細胞に作用させ、DNA合成能やALPase活性を測定し、従来の生体適合性試験と比較した。その結果、ほとんどのモノマーにおいてコントロールに対する50%細胞毒性は、モノマー濃度で0.6〜1mMであった。また、これら疎水性モノマーとMMAの共重合体の機械的性質について、各種試験により検討した結果、各種疎水性モノマー共重合体はPMMAと同様の優れた機械的性質を示した。
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