2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌におけるmicro-metastasisの遺伝子診断
Project/Area Number |
12671918
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山崎 裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90250464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90271684)
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Keywords | 口腔癌 / リンパ節転移 / micro-metastasis / P53 / MASA法 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
口腔癌において頚部リンパ節転移は遠隔転移と並んで最大の予後因子である。したがって頚部リンパ節転移を正しく評価することは口腔癌の予後の改善に深く関わるものと思われる。HE染色標本による病理組織学的検索では検出不能なmicro-metastasisの存在が、以前より指摘されている。そしてこのmicro-metastasisに基づく診断法は、従来の診断法よりも局所再発や予後と深く関わることが報告されている。しかし、口腔癌のmicro-metastasisに関する研究は少なく、その実体や意義は不明のままである。そこで本研究の目的は、病理組織学的にはとらえることが不可能であったmicro-metastasisを遺伝子学的に正確に診断し、臨床経過、予後と対比することにより、その臨床学的意義を明らかにすることである。最近、3年間に当科で口腔扁平上皮癌に対する全頚部郭清術が施行された9例10側の郭清リンパ節235個を対象とした。遺伝子学的診断法はp53遺伝子変異を指標に1塩基置換を最も高感度に検出可能なMASA法を用いた。その結果、病理組織学的に転移陽性であったリンパ節はすべてMASA法でも陽性であった。病理組織学的に転移が陰性でMASA法で陽性と診断されたリンパ節は、対象症例の半数の5側、11個に認められ、そのうち4側は従来の診断法では予後因子となる、転移個数が3個以上かLevelがIII以上であった。このうち2例に肺転移と頚部再発が認められた。 以上の結果よりMASA法は、口腔癌における頚部リンパ節のmicro-metastasisの診断に有用であることが示唆された。
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