2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671937
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岸本 晃治 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40243480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目瀬 浩 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40325098)
佐々木 朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00170663)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 癌抑制遺伝子p53及びp16 / 血管新生因子 / VEGF / PD-ECGF / VEGF-C |
Research Abstract |
目的:癌の増殖,浸潤,転移に関わる血管新生因子であるVEGF, PD-ECGF, VEGF-Cのならびにp53とp16の癌抑制遺伝子の口腔扁平上皮癌における発現とその臨床病理学的意義を検討した。 対象と方法:対象は即時切除術を施行した口腔扁平上皮癌62例である。VEGF、PD-ECGF、VEGF-C、p53、p16に対する抗体による免疫組織学的検索を行い、それらの発現性と臨床病理学的諸因子との関連性を検討した。腫瘍内血管数は抗CD31抗体による免疫染色にて評価した。 結果:VEGF-C蛋白の発現率がリンパ節転移陽性群では陰性群に比べて有意に高率であった(p<0.01)。リンパ節転移においてロジスティック回帰分析を行ったところ、単変量解析の結果では、浸潤様式、VEGF-C、VEGFならびに血管侵襲がリンパ節転移の予測因子として有意性を保持した(p<0.05)。一方、多変量解析の結果、VEGF-Cおよび浸潤様式が独立したリンパ節転移の予測因子となった(p<0.05)。PD-ECGF蛋白発現例が血管数と強く相関していた(p<0.05)。Coxのハザードモデルを使用して、生存率において単変量解析を行い有意差(p<0.05)が認められたVEGF、分化度、浸潤様式、リンパ節転移を独立変数として多変量解析を行った結果、VEGF及びリンパ節転移が独立した予後因子となり、ハザード比はそれぞれ4.999(p=0.0348)、4.606(p=0.0189)であった。尚、p53及びp16の癌抑制遺伝子は転移及び予後と相関しなかった。 結論:口腔扁平上皮癌におけるVEGF, PD-ECGF, VEGF-Cの発現はそれぞれ主に予後、血管新生、リンパ節転移と関連があることが示唆された。また、p53及びp16の癌抑制遺伝子と転移及び予後との関連は認められなかった。
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