2000 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対するサイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤の細胞増殖抑制効果
Project/Area Number |
12671938
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
新谷 悟 岡山大学, 歯学部, 助手 (80294429)
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Keywords | 口腔癌 / 口腔扁平上皮癌 / 細胞周期 / CDC2 / CDK2 / CDK阻害剤 |
Research Abstract |
1.各種口腔扁平上皮癌細胞株におけるin vitroでのCDK阻害剤による増殖抑制効果 各種口腔扁平上皮癌細胞株(HSC2,3,4,SCC15,25,66,105L,111,Ca9-22,BSCC,NAN2)にCDK阻害剤Roscovitineを濃度依存性,時間依存性に作用させ,細胞増殖能に与える影響をトリパンブルー色素排除法を用いて検討した。 濃度依存的検討の結果,いずれの細胞株においても30-50nMで最大の増殖抑制効果を認めた。次に、Roscovitineの濃度を30nMとし時間依存的な抑制効果について検討したところ,細胞死の誘導の発現時期に相違を認めた。 2.細胞周期に対する影響とそのメカニズムの解析 (1)CDC2,CDK2,CDK4およびCDK6の活性抑制効果の検討:CDK活性の抑制効果は,Roscovitineを時間依存性に作用させ各抗体で免疫沈降後,そのリン酸化活性を計測した。CDC2およびCDK2活性は時間依存的に減少したが,CDK4およびCDK6活性に関しては減少は認められなかった。 (2)細胞周期の解析:細胞周期の解析にはPI染色法を用いたDNAヒストグラムの解析により行った。その結果,いずれの細胞においても核の断片化を示すsub-G1期の細胞数の上昇を認めたが,その発現時期は明確な細胞周期の停止を認めず速やかに生じたものと,まずG2/M期停止後に誘導された細胞があった。 (2)アポトーシス誘導に関する検討:DNA fragmentation及びウェスタンブロット法によるPARP cleavageの検討にて上記のsubG1期の細胞がアポトーシスを誘導していることを確認した。また、これらの細胞で,アポトーシスの発現時期の違いによりbcl-x,bcl-2の発現様式に違いを認めた。
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