培養骨原性細胞を用いた血管柄付き有付形性骨補填材の開発とその顎骨再建への応用

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12671945
• Research Institution: The University of Tokushima
• Principal Investigator: 里村 一人 徳島大学, 歯学部, 助手 (80243715)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 敷波 保夫 タキロン株式会社, メディカル事業部, 部長(研究職) ; 山之内 浩司 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30294705) ; 林 英司 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50173000)
• Keywords: 骨再建 / 骨補填材 / 骨髄間質細胞 / 骨芽細胞 / 細胞培養 / 生体材料 / 再生医療

Research Abstract

腫瘍、外傷、顎骨嚢胞などの疾患およびそれらに対する外科的治療により生じた顎骨欠損に対する形態および機能の回復はきわめて重要な問題であり、培養骨原性細胞(骨芽細胞、骨髄間質細胞)を有効に活用した優れた再建技術、再建方法の早期確立が望まれる。このことから本研究においては、従来の方法では再建不可能な大きな骨欠損部や複雑な形態の回復が必要な骨欠損部に対する新しい再建方法の確立を目的として、骨原性細胞とハイドロキシアパタイト添加ポリ-L-乳酸メンブレン(HA-PLLA)を応用した血管柄付きハイブリッド型骨補填材の開発およびそれを用いた新しい骨再建方法の確立を目指している。
本年度は、
1.骨原性細胞移植のための最適な担体を選択する目的で、I型コラーゲン、ハイドロキシアパタイト顆粒、トリカルシウムホスフェイト含有アパタイトなどを担体としてヒト骨原性細胞の骨形成能につき検討した。その結果、I型アテロコラーゲンの三次元構築物が担体として良好であることが明らかとなった。
2.グルココルチコイドがヒト骨原性細胞の生体内における骨形成能を促進させることを確認する目的で、デキサメサゾン処理を行ったヒト骨芽細胞と行わなかった骨芽細胞をI型アテロコラーゲンを担体としてSCIDマウス皮下あるいは筋肉内に移植した。この結果、デキサメサゾンで処理したヒト骨芽細胞のみが良好な骨形成能を発揮、維持することが確かめられた。
以上の結果を踏まえ、現在デキサメソゾンで処理したヒトおよびラットの骨原性細胞をI型アテロコラーゲンを担体として、HA-PLLAを用い血管周囲に移植し、移植体を経時的に回収、骨形成につき組織学的検討を行っている。

Research Products

• [Publications] 里村一人: "Osteogenic imprinting ustream of marrow stromal cell differentiation."Journal of Cellular Biochemistry. 78. 391-403 (2000)
• [Publications] 山之内浩司: "Bone Formation by Transplanted Human Osteoblasts Cultured within Collagen Sponge with Dexamethasone In Vitro."Journal of Bone and Mineral Research. (印刷中).