2000 Fiscal Year Annual Research Report
多孔性ハイドロキシアパタイト含有ポリ-L-乳酸メンブレンの開発とその特性
Project/Area Number |
12671946
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
林 英司 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50173000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山之内 浩司 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30294705)
里村 一人 徳島大学, 歯学部, 助手 (80243715)
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Keywords | 生体材料 / 再生医療 / ポリ-L-乳酸 / ハイドロキシアパタイト / メンブレン |
Research Abstract |
われわれはタキロン株式会社との共同研究において、生体内吸収性高分子であるポリ-L-乳酸にハイドロキシアパタイトを添加し、さらに連続気孔を付与したメンブレン(以下多孔性HA-PLLAメンブレンと略す)を開発した。このメンブレンは、生体内で吸収され、連続気孔を有した膜構造を有し任意に形態を付与することができる。しかもハイドロキシアパタイト添加により優れた骨誘導能を有しているものとと思われる。そのため、口腔・顎顔面領域の骨欠損部に対する新しいメンブレン(隔壁)として臨床応用できるものと考えている。本研究では、このメンブレンの臨床応用を前提としたin vivoでの検討を行った。 実験は、SCIDマウスの頭蓋部にトレファンバーにて骨欠損モデルを作製し、欠損部に多孔性HA-PLLAメンブレンを被覆したグループとなにも被覆しないグループで骨形成の程度を組織学的に検討した。また一方で、マウス腹腔内に多孔性HA-PLLAメンブレンを移植した後、経時的に摘出し、走査型電子顕微鏡(SEM)にてメンブレンを観察するとともに高速液体クロマトグラフィーでcomposite tubeの分子量変化を測定した。 骨欠損モデルにおいてメンブレンを被覆したグループと被覆していないグループの間に明らかな骨形成の程度に違いは認められなかった。そのため、今後、骨欠損モデルとして何らかの改善が必要と思われた。一方、SEMによる観察では、移植後2週ではメンブレン表面に変化は認められなかった。しかしながら3週以降より表面に変化がみられ6週では表面にクラックを生じ、メンブレンの分解・吸収が進行しつつあると思われた。また、メンブレンの分子量は移植後2週において142万から76.7万まで急激に減少し、その後、少しずつ分解が進行していることが観察された。
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