2001 Fiscal Year Annual Research Report
間質細胞間の接着能の強化と口腔癌細胞の浸潤・転移抑制の検討
Project/Area Number |
12671960
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido, School of dentistry |
Principal Investigator |
永易 裕樹 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (90265075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有末 眞 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20091407)
河野 峰 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (00285537)
柴田 敏之 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (50226172)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 細胞間結合装置 / gap junction / connexin43 / 肺転移 |
Research Abstract |
[1]Malotilateのin vivoにおける転移抑制効果の観察 Spontaneous metastasis抑制効果 SHRラット自然発生乳癌細胞SST-2の背部皮下移植し,Malotilateを強制経口投与したところ,腫瘍増殖には影響を与えなかったが肺転移は有意に抑制された。 [2]Malotilateが発達させる間質細胞の細胞間結合装置の観察 in vitroにおいてラット肺血管内皮細胞にMalotilateを作用させ形態的変化を観察した。 1:超微形態学的観察 Malotilate10ng/mlで24時間処理した血管内皮細胞において無処理血管内皮細胞に比べgap junction様の細胞間結合装置の増大が認められた。 2:細胞間結合装置構成タンパクの検索(Western-Blotting法にて以下のタンパク量の変化を検索した。) 血管内皮細胞のMalotilate処理により経時的また濃度依存的にconnexin43の発現が増大した。しかし、connexin26、connexin32、ZO-1、Desmogleinの発現には影響を与えなかった。 [3]Malotilateにより誘導された細胞間結合装置の機能の検索 1:細胞間結合能の検討 Wound Healing assayにおいてMalotilate処理血管内皮細胞は無処理血管内皮細胞に比較し有意にscatterringが抑制され、より強い結合力にて細胞間結合がなされていることが示唆された。 2:細胞間連絡能の検討 Lucifer Yellow CHを用いその色素移行の程度を共焦点レーザー顕微鏡にて観察したところ、Malotilate処理血管内皮細胞において有意に色素移行率が上昇していた。 以上のことより、Malotilateは血管内皮細胞において、細胞間結合装置特にgap junctionの形成を促し、形成されたgap junctionは機能していることが明らかとなった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Shibata, H.Nagayasu, et al.: "Inhibitory effects of malotilate on in vitro invasion of lung endothelial cell monolayer by human oral squamous cell carcinoma cells"Tumor Biology. 21. 299-308 (2000)
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[Publications] 中田大地, 柴田敏之, 永易裕樹, 他: "上皮成長因子EGFが退縮型ラット癌細胞ER-1の浸潤、転移能に及ぼす影響 第3報、EGF長期間処理による酸化ストレスと遺伝的不安定性の誘導"日本口腔外科学会雑誌. 46・9. 511-518 (2000)