2000 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用金属アレルギー診断と金属除去効果判定におけるLTT法とCAST法の検討
Project/Area Number |
12671965
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高橋 慎一 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (90197145)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 光明 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90174458)
山根 源之 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80096510)
|
Keywords | 金属アレルギー / パッチテスト / LTT法 / CAST法 |
Research Abstract |
当大学で金属シリーズのパッチテストを施行し、正確に判定された歯科及び皮膚科外来受診患者64名と正常人ボランティア73名に、Ni,Pd,Au,Co,Cr,Hgの市販パッチテスト試薬を用いたLTT法とCAST法を施行し、パッチテストの結果と比較検討した。LTT法は通常の薬剤アレルギー検査と同様に希釈系列を50,250,1250,6250,31250,156250倍とし、3日間と6日間培養でそれぞれS.I.(%)を測定した。一方、CAST法も通常の食物アレルギー検査に準じた。まず、金属塩によるバックグラウンドを測定し、120%以下となる最低希釈倍率より、10倍希釈で5段階まで施行した。Niでは、LTT法は3日培養では健常者の偽陽性が多いが、1250倍希釈で、500%以上を陽性とすると、特異性が高く、有用と考えられた。ただし、6日培養での6250倍か31250倍希釈が有用である可能性も否定できなかった。CAST法は一部のパッチテスト陽性者で陽性となり、パッチテスト陰性郡の偽陽性は認められないので、一つの指標となりうると考えられた。Pdについては、LTT法で250倍希釈の3日培養で有用な成績が得られた。しかし、さらに希釈した条件での6日培養の有用性もさらに検討する必要があると考えられた。CAST法では、ほとんどの症例でパッチテスト陽性者と陰性者の差がなく、あまり有用ではないと考えられた。Auは3日培養、50倍希釈が最も感度、特異性とも高く、有用と考えられたが、1250以上の希釈倍率で6日培養の条件のさらなる検討が必要と考えれた。Coは3日間培養では6250倍希釈が有用であった。しかし、6日間培養で健常人では偽陽性が検出されず、6日培養の条件について患者郡のデータ集積中である。Cr,Hgについては、陰性・陽性とも件数が不十分であり、今後さらに検討する予定である。
|
-
[Publications] 高橋慎一,川島淳子,森本光明,山根源之: "歯性病巣治療が奏効した掌蹠膿疱症の6例"日本皮膚科学会雑誌. 110(4). 735 (2000)
-
[Publications] 高橋慎一,川島淳子,森本光明,山根源之: "歯科用インジウム合金により異汗性湿疹を発症し、再使用により再燃および貨幣状湿疹を併発した1例"日本皮膚アレルギー学会雑誌. 8(1). 113 (2000)