2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671991
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
寺田 員人 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (00139312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮永 美知代 東京芸術大学, 美術学部, 助手 (70200194)
森島 繁生 成蹊大学, 工学部, 助教授 (10200411)
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Keywords | 外科的矯正治療 / 表情 / 表情認知 / シミュレーション / コンピュータグラフィックス |
Research Abstract |
本研究の目的は、顎変形症を有する患者に行う外科的矯正治療前後で、基本感情表出が、どのように認知されるかを調べ、形態と基本感情認知との関係と調べることであり、平成12年度では、以下の3項目を平行して行った。 第一に、外科的矯正治療の適応となる顎変形症を有する患者の形態的特徴を調べるための比較資料を作成した。この比較資料は、被験者を正面・左右45度の3方向から非接触三次元計測装置により測定した男子大学生45名(平均年齢:23.1歳)の三次元顔画像データを用いて、顔面各部の角度計測、表面積計測を行った。計測項目は、(1)鼻背の曲がり、(2)口角の傾斜、(3)左右側の眼裂の傾斜、(4)左右側の眼裂部の表面積、(5)左右側の鼻部の表面積、(6)左右側の頬部の表面積、(7)左右側のオトガイ部の表面積、(8)左右側の上唇部の表面積であり、これらの計測項目について、基準点、ならびに計測領域を設定して、平均値と標準偏差を算出した。その結果、顎変形症を有する患者の顎顔面頭蓋形態を評価するための基準資料ができた。この資料を用いて、顎変形症を有する形態的特徴を明確に把握できることができた。 第二に、従来の顔表情作成ソフトは標準モデルに正面顔画像を適合させて表情を作成する形式となっていた。この方式では、側貌から得られる形態情報が十分に反映していない欠点を有していた。今回、よりモデルの形態を現実に近づけるために、本研究用に顔のprofile lineに適合できるように改良して、より形態的特徴を具備したコンピュータソフトに展開した。 第三に、コンピュータによる表情作成では、個人の持つパーソナリティが表情表出から受ける印象が強いために、その印象を打ち消すことが重要と考えている。それは、同時に個人識別を限りなく減らし、顎顔面に関する形態情報を強調するものである。そのために、各器官の形態的特徴を抽出して、平均化するための手法を検討している。
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