2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671991
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺田 員人 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (00139312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮永 美知代 東京芸術大学, 美術学部, 助手 (70200194)
森島 繁生 成蹊大学, 工学部, 教授 (10200411)
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Keywords | 外科的矯正治療 / 表情 / 表情認知 / シミュレーション / コンピュータグラフィックス / 平均顔 |
Research Abstract |
本研究の目的は、顎変形症を有する患者に行う外科的矯正治療前後で、基本感情表出が、どのように認知されるかを調べ、外科的矯正治療が表情認知に与える影響を調べることである。 今年度では、本研究の趣旨に理解して承諾した患者のうち、骨格性下顎前突を有し外科的矯正治療を行った女性5名、叢生を有する矯正治療を行った女性患者5名、上顎前突を有し矯正治療を行った女性患者5名を選択した。この各5名の治療前後の正面写真を本研究のための資料として、これらの写真から「顔ツール」を用いて、平均顔を作成した。この平均顔からさらに普遍性の基本感情カテゴリーの6表情、「驚き」、「恐れ」、「嫌悪」、「怒り」、「喜び」、「悲しみ」を作成した。被験者を顔に関して知識の高い矯正科の医局員(新潟大学歯学部)41名と美術学部の学生57名、中国人歯科医師40名を評価した群として、6表情(驚き、恐れ、嫌悪、怒り、喜び、悲しみ)それぞれについて、被験者1人1人に最も印象の強い表情をしている顔画像を選択させた。その結果は、以下のとおりであった。 骨格性下顎前突を有する患者において、外科的矯正治療後に印象が強くなった平均顔の表情は、「驚き」、「恐れ」、「嫌悪」、「喜び」、「悲しみ」であり、「怒り」以外のすべての表情であった。 「驚き」の表情以外、矯正治療前より治療後の顔の方が、印象が強いとする頻度が高くなった。 「喜び」の表情は、上顎前突を有した患者の治療後の平均顔が治療前より印象が強いという頻度が高くなった。さらに、評価した3群が同じような選択の分布を示した。 このことより外科的矯正治療、あるいは矯正治療により、表情表出が豊かとなり、表情認知が向上することが示唆された。
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