2000 Fiscal Year Annual Research Report
顎口腔機能運動時に顎関節部に加わるメカニカルストレスを算出するためのモデルの開発
Project/Area Number |
12671999
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮脇 正一 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80295807)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 照子 岡山大学, 歯学部, 教授 (00127250)
松本 俊郎 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (50110242)
|
Keywords | 顎関節 / メカニカルストレス / 咀嚼運動 / 顎関節内障 / 顎関節症 / 関節円板前方転位 / モデル / 筋活動 |
Research Abstract |
ナソヘキサグラフシステムを用いて、健常者と顎関節内症患者の3次元6自由度の下顎運動と咬筋浅部、側頭筋前部、外側翼突筋(檜山らの方法に準じる)および顎二腹筋前腹の筋活動を採得した。被験動作は、各種顎口腔機能運動、すなわち、咀嚼運動(左右)、習慣性開閉口運動(タッピング)、噛みしめ(クレンチング)、歯ぎしり様運動(左右滑走運動)、あくび様運動(最大開閉口運動)であった。形態画像データ(MRI,Cephalo(Lat,PA))も同時に採得した。下顎運動デタをテキストファイルに変換して、Visual BasicとSignal Basic(Function library)を用いて作られた顎運動デタ解析ソフトウェアを用いて、Hannamらの方法に準じて各被験動作を72に等分割して、各被験動作時の下顎頭の代表9点と下顎第一大臼歯と下顎中切歯点の平均速度と加速度を求めた。筋電図デタも同様にしてテキストファイルに変換し、筋電図デタ解析ソフトウェアを用いて、全波整流と移動平均処理を行い、その後顎運動デタのサンプリング密度に合わせた。被験者1名に対してCTを採得し、それにより下顎骨の基底面より2mm間隔で断層画像を得た後、緻密骨および海面骨に分離し形状を座標軸上で数値化した。この操作を各断面について行い、有限要素解析計算用パーソナルコンピュータ上に、高速医療画像有限要素モデル作成プログラムを適用して3次元有限要素モデルを作製した。 その結果、ヒトの一連の咀嚼において、最大咬頭嵌合位を基準とした下顎頭の運動範囲は経時的に減少し、咀嚼側の下顎頭は一連の咀嚼の初期に下顎窩や関節結節を圧迫する方向に0.5〜0.7mm変位し、非咀嚼側の下顎頭はそれらの方向には殆ど変位しないことが明らかとなった。また、復位性関節円板前方転位を示す患者の患側咀嚼運動時と最大開閉口運動時において最大咬頭嵌合位を基準とした下顎頭の運動は両側とも制限を受け、健側咀嚼運動時には患側の下顎頭の運動のみが制限を受けることも明らかとなった。さらに、かみしめ時において、顎関節に過大な負荷が加わることも明らかにした。 以上より、顎関節症患者は顎口腔機能運動時に顎関節部に過大なメカニカルストレスが加わることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Miyawaki,S.: "Effect of food size on the movement of the mandibular first molars and condyles during deliberate unilateral mastication in humans"Journal of Dental Research. 79. 1525-1531 (2000)
-
[Publications] Miyawaki,S.: "Condylar Motion in Patients with Reducing Anterior Disc Displacement"Journal of Dental Research. 80(in press). (2001)
-
[Publications] Miyawaki,S.: "Changes in masticatory muscle activity according to food size in experimental human mastication"Journal of Oral Rehabilitation. 28(in press). (2001)
-
[Publications] Miyawaki,S.: "Motion of the human mandibular condyle during mastication"Journal of Dental Research. 80(in press). (2001)
-
[Publications] Fujiki,T.: "Deglutitive movement of the tongue under local anesthesia"American Journal of Physiology-Gastrointestinal Liver Physiology. (in press). (2001)
-
[Publications] Miyawaki,S.: "Case report : Changes in masticatory jaw movement and muscle activity following surgical orthodontic treatment of an adult skeletal Class III case"Journal of Clinical Orthodontics and Research. (in press). (2001)