2002 Fiscal Year Annual Research Report
変位センサで測定した筋音によるヒト咀嚼筋機能解析、および顎顔面形態との相関
Project/Area Number |
12672002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
名方 俊介 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (30037543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 格 九州大学, 歯学部附属病院, 医員
五百井 秀樹 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (10274474)
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Keywords | 筋音 / アモルファス磁心マルチ形磁石変位センサ / 咬筋 / 筋電図 / %MVC / 筋疲労 |
Research Abstract |
アモルファス磁心マルチ形磁石変位センサを用いた筋の収縮時の振動である筋音の記録波形から筋収縮機構や筋疲労の発現機構を推察することを目的に,16人の健常な男子の右側咬筋より、まず最大咬合力(MVC)に対する8段階の咬合力発揮(%MVC)時,次に筋疲労後の4段階の咬合力発揮時の筋音および筋電図を採得した.そして両者の振幅および周波数特性を比較検討し,以下の結果を得た. 1.筋音の振幅値は20%MVCまで急激に増加するが,それを超えると徐々に減少する傾向を示した.一方,筋電図のそれは,%MVCの増加に伴って直線的に増加する傾向を示した. 2.筋音のパワースペクトルのmedian周波数は,%MVCの増加に対して明瞭な変化を示さなかった.しかしパワースペクトルを5Hzごとの帯域に分けて調べた結果,%MVCの増加に伴って高周波数帯の成分が大きくなる傾向を認めた. 3.疲労後の筋電図の振幅値は,疲労前に比べ増加する傾向がみられた.一方,筋音の振幅値は,疲労前後で有意な差がみられなかった. 4.電気的信号から機械的運動への変換の指標とした変換効率[筋音振幅値/筋電図振幅値]は疲労後の10%MVCと20%MVCにおいて低下する傾向を示した. 5.疲労後の筋音のパワースペクトルにおいて,%MVCの増加に伴う高周波数帯成分の増加は疲労前に比べて小さかった. 以上の結果から,咬筋は筋の力学モデルを構成する弾性要素が20%MVC以上で引き伸ばされ始めること,筋収縮の様式に変化が起こっていること,大きな筋力を発揮時の咬筋には速筋線維の動員や収縮頻度の増加が起こっていることが推察された.また疲労は速筋線維に生じやすく,速筋の収縮機能低下を補償するためにより多数の筋線維の収縮と収縮頻度の増加が起こっていることが推察された. 筋音は筋電図と筋力だけでは把握することのできない筋収縮の発現機構や筋疲労評価の指標となりうることが示唆された.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 川勝 真, 五百井秀樹, 森下 格, 他: "咬筋における筋音の解析 -咬合力および筋電図との関連性について-"Orthod. Waves. 59(1). 43-51 (2000)