2000 Fiscal Year Annual Research Report
感染性心内膜炎診断のための栄養要求欠陥レンサ球菌のPCR法による迅速検出法の開発
Project/Area Number |
12672006
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐藤 節子 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70145514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 昌一 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (30028740)
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Keywords | ビタミンB_6要求性連鎖球菌 / Abiotrophia / PCR |
Research Abstract |
平成12年度研究計画 ビタミンB_6要求性連鎖球菌(Abiotrophia属)を構成しているA.adiacens,A.defectiva,A.elegansについて、各菌種に特異的なDNA断片を見つけ、この断片のシーケンスを決定し、シーケンスの一部がPCRのプライマーになりうるかどうかを検討する。 実施および結果 1 ヒト口腔内から単離したA.adiacens TKT1株のゲノムDNAから約3.3kbのKpnI断片をクローニングした。ドットハイブリダイゼーション法によって調べた結果、このDNA断片は調べたすべてのA.adiacensとハイブリダイズしたが、A.defectivaとA.elegansにはまったくハイブリダイズしなかった。 2 シーケンスを決定した。その結果、このKpnI断片は3250bpから構成されていた。 3 シーケンスに基づきフォワードプライマーAとB(676-695と1862-1881)、リバースプライマーA′とB′(1303-1322と2934-295)を作製した。これらのプライマーを用いて、各菌のゲノムからPCRによってDNAフラグメントA-A′,B-B′が増幅されるかどうかを調べた。その結果、(1)KpnI断片とドットハイブリダイズしなかったA.defectivaとA.elegansのどの菌株からもDNA増幅は認められなかった、(2)ドットハイブリダイズしたA.adiacens 30株はA-A′とB-B′をともに合成できる14株、A-A′のみ合成できる8株、両者を合成できない8株に分かれた(B-B′のみを合成できる株はなかった)。 結論および今後の計画 3.3kb-KpnI断片はドットハイブリダイゼーションの結果からA.adiacens特異的なフラグメントと考えられる。しかし、A.adiacensのなかには作製した2種類のプライマーではPCRによるDNA増幅ができない株があった。今後、A-A′とB-B′でカバーされていない部分からA.adiacensすべての株がDNA増幅できるようなプライマーを探す必要がある。また他の2菌種それぞれに特異的なプライマーを新たに見つけなければならない。
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