2002 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化した無歯科医・僻地のニーズに応じた巡回歯科診療システムの改善
Project/Area Number |
12672007
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
日野 陽一 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00315425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶺崎 良人 鹿児島大学, 歯学部附属病院, 講師 (70157577)
田中 卓男 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40113584)
井上 昌一 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (30028740)
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Keywords | 離島巡回歯科診療 / 歯科接着システム / 携帯型サンドブラスター / 硬質レジン人工歯 / 接着ブリッジ / コンポジットレジン / 義歯修理リベース / 義歯修理用レジン |
Research Abstract |
1.平成12,13年度の巡回診療において,接着システムを用いて再装着したクラウン・ブリッジや修理した義歯の予後を調査した結果,ほとんどの補綴物が脱落や再破折することなく機能しており,義歯修理や補綴物再装着に対する接着システムの臨床的有効性が確認された.とくに携帯型サンドプラスターを用いるアルミナブラスティングが大きく貢献したものと考えられ,都市部での訪問在宅診療においても有効な術式となることが示唆された. 2.数例の前歯部1歯欠損症例に装着した人工歯を用いる接着ブリッジの予後を調査した結果,すべてのブリッジが脱離することなく機能しており,本法が巡回診療に有用な欠損補綴法であることが示唆された. 3.最新のコンポジットレジンの摩耗試験および強度試験を行った結果,従来のアクリルレジンやコンポジットレジンと比べて,高い耐摩耗性と曲げ強度を有することが明らかになった.したがって,今後の離島巡回診療におけるクラウン・ブリッジ用材料として十分応用可能であることが示唆された. 4.義歯の補修に用いる緩硬化性レジンの接着性能を評価した.その結果,本レジンは適切な接着前処理を施しことによって義歯構成材料と優れた接着性を示すことが明らかになった. 5.義歯補修用常温重合レジンを試作して,義歯用コバルトクロム合金や床用レジンとの接着性能の評価を行った.その結果,試作したレジンは,従来の修理用レジンより接着性に優れており,また操作性も向上することが判明した.したがって,今後の離島巡回診療や訪問診療に有用な材料となる可能性が示唆された.
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[Publications] 大橋博文: "αアミラーゼに反応して硬化するリライニング用レジンと義歯床の結合に関する研究"接着歯学. 20・1. 1-9 (2002)
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[Publications] 村口浩一: "熱サイクル負荷が前装用硬質レジンの表面性状に与える影響"日本補綴歯科学会雑誌. 46・2. 251-259 (2002)
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[Publications] Suzuki Shiro: "In vitro wear of indirect composite restoratives"The Journal of Prosthetic Dentistry. 88・4. 431-436 (2002)
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[Publications] 久保真一郎: "義歯修理用接着性レジンの義歯構成要素に対する接着性評価 -義歯用コバルトクロム合金との接着強さ-"接着歯学. 20・4. 252-253 (2002)
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[Publications] 日本接着歯学会: "接着歯学-Minimal Interventionを求めて-"医歯薬出版. 206 (2002)