2001 Fiscal Year Annual Research Report
半導体レーザーの転写因子Cbfa1/Pepb2αAを介した骨形成促進作用の解明
Project/Area Number |
12672018
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Research Institution | Nihon-University |
Principal Investigator |
清水 典佳 日本大学, 歯学部, 助教授 (40154299)
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Keywords | 低出力レーザー / 骨形成 / 骨芽細胞 / IGF-I / カルバリア |
Research Abstract |
低出力レーザー照射による骨形成促進作用が報告されているが、そのメカニズムを含め詳細は不明であり、このメカニズムを一端を解明することによりレーザーの歯科臨床応用を図ることを目的としている。 昨年度までの研究で胎仔calvariaより採取した培養骨芽細胞にリコンビナントIGF-Iを作用させるとbone nodule量が増大し、抗IGF-I抗体を作用させるとbone nodule数が減少した。さらに低出力レーザー照射により増大したbone nodule量は抗IGF-I抗体により中和された。また培養液中のIGF-I量はレーザー照射により増大した。 そこで本年度は骨芽細胞にレーザー照射した時のIGF-Iタンパク発現の亢進が、遺伝子発現を介しているかを検討するため、calvariaより採取した培養骨芽細胞にレーザー照射を行い経日的にRNAを抽出し、RT-PCR法によりIGF-Iの遺伝子発現を検討した。その結果、IGF-I遺伝子は非照射群でも発現されているが、照射群では照射1日で顕著に発現が亢進され、3日目まで持続した。しかし6日目では両者の差はなくなり、タンパク発現に先駆けて遺伝子発現が亢進していることがわかった。またIGF-Iの発現細胞を検討する目的でチャンバースライドに培養した骨芽細胞にレーザー照射し、2日、5日後に固定後、抗IGF-I抗体を用いた免疫細胞化学によりIGF-Iの所在を明らかにした。その結果、照射2日目ではIGF-Iは対照群、レーザー群ともbone noduleが形成されつつある細胞塊の中央のみで強く発現しており、他の細胞では発現されていなかった。照射群ではIGF-Iを発現している細胞塊数が対照群より多く、個々の細胞塊のIGF-I発現に差はなかった。5日目では両者とも発現は低下していた。以上より骨芽細胞に対するレーザー照射により初期にIGF-I遺伝子発現を介してタンパクが発現され、これがオートクリン、パラクリンに作用しbone nodule形成促進に作用したものと思われた。現在Cbfa1/Pebp2αAの遺伝子発現について検討中である。
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Research Products
(1 results)