2001 Fiscal Year Annual Research Report
AP2a、fkh6、TCF1、Sna、Sp4遺伝子のマウス歯胚発生における役割
Project/Area Number |
12672019
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
前田 隆秀 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70130599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 武彦 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40328761)
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Keywords | Ebk / in situ hybridization / 歯胚発生 / 歯胚培養 |
Research Abstract |
当初予定していたAP2a,fkh6,TCF1,Sna,Sp4,の5種の遺伝子に関しては良好なシグナルが得られず、新たな遺伝子Embryo Brain Kinase(以下:Ebk)をターゲットとした。E11.5、E13.5、E15.5のマウス歯胚において、in situ hybridizationで歯胚を取り巻く間葉組織にEbkの発現がみられた。本年度はマウス歯胚培養において、Ebk遺伝子の発現をアンチセンスオリゴヌクレオチドで阻害し、Ebk遺伝子の機能を評価した。まず、Ebk遺伝子に関して、開始コドン(ATG)を含めた20塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製した。マウスはC57BL/6Jマウスの雌雄を交配し、雌を11.5日で安楽死させ、E11.5のマウス胚を採取し、マウス胚から第一臼歯胚と周囲組織を実体顕微鏡下で採取した。E11.5での歯胚の発育段階は上皮組織が間葉組織に嵌入を始め、歯堤形成が開始される時期である。これを5%CO2,37℃にて培養した。培養液は、コントロール群ではDMEM medium、10%Foetal Calf Serum、100U/ml penicillin/streptomycinを用いた。実験群では30μMのアンチセンスオリゴヌクレオチド30μMを培養液に加え、歯胚におけるEbk遺伝子のmRNA合成を阻害した。2日に一度培養液を交換し、10日間培養後、第一臼歯胚と周囲組織を固定し、組織切片を作製しHE染色後、光学顕微鏡下で観察した。結果として、コントロール群では、マウス歯胚は鐘状期に類似した形態まで発育し、上皮の伸張と、エナメル器に類似した組織が認められるまで発育した。しかし実験群では、上皮の間葉組織への伸張はわずかで、歯胚の発育は蕾状期初期で停止していた。Ebk遺伝子の発現を阻害したことで、歯胚が発育しないという結果より、Ebkが歯胚発育に重要な役割を演じていることが示唆された。Ebk遺伝子の上皮間葉相互作用における役割はtissue recombinationで解析中である。
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