2000 Fiscal Year Annual Research Report
ビスフェノールAとその誘導体に着目したBis-GMA系レジンからの溶出物質の分析
Project/Area Number |
12672025
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
久保山 博子 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10258593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 稔 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10122780)
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Keywords | 未反応モノマー / レジンシーラント / キセノン照射器 |
Research Abstract |
レジンシーラントから溶出する未反応モノマーは生体内で代謝されるが、その代謝産物や毒性については不明な点が多い。本研究では溶出したモノマーの加水分解生成物や分解過程を明らかにするための基礎資料とするため、光重合型レジンシーラントWhite sealant(3M社)およびTeethmate F(クラレ社)からの溶出モノマー量を検討した。今回はハロゲンランプを光源とする従来型の光照射器Curing Light XL3000(3M社、Control),短時間の照射で重合が可能なキセノンランプを光源とする光重合器Credi(3M社)、およびPower PAC(DMD社)を用いて、照射条件を変えた場合の未反応モノマーの溶出量の測定を行った。照射時間は、Controlが20、40秒、Crediが3、5、10、20秒、PACが5、10、20秒とした。硬化したシーラントは秤量後、5mlの蒸留水を入れた容器に入れ37℃の恒温槽中で遮光振盪した。浸漬後1、4、7、14、21および28日経過後に新しい浸漬液と交換した。TEGDMAの定量は高速液体クロマトグラフィーを用いた。 その結果,シーラントからの28日間のTEGDMA総溶出量は、いずれのシーラントも照射時間、照射器のタイプに強い影響を受けた。また,シーラントからの1日あたりのTEGDMAの溶出量は、いずれの条件において、水中浸漬1日目に最大のTEGDMA溶出量を示したが、4日〜7日では急激に減少し、それ以降はほぼ一定の溶出量を示した。 今回の研究結果では、シーラントから溶出した未反応モノマーはTEGDMAのみであり、BisGMAやBisMEPPなどのモノマーは検出されなかった。また、キセノンランプを持つ照射器によるシーラントの重合は、短時間では十分とは言えず、臨床での使用に際しては、十分な光強度(10秒以上)を得るための配慮が必要不可欠であると考えられた。
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Research Products
(1 results)