2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗Fc受容体Bispecific抗体による難治性歯周炎免疫療法の開発
Project/Area Number |
12672032
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 哲夫 新潟大学, 歯学部, 助手 (00215344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 典子 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30313547)
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Keywords | Fc受容体 / bispecific抗体 / 免疫療法 / 歯周炎 / 歯肉溝滲出液 / 好中球 / Porphyromonas gingivalis |
Research Abstract |
1 歯周炎患者の歯肉溝滲出液好中球の免疫グロブリンFc受容体(FcγR,FcαR)発現の解析 インフォームド・コンセントを得た成人性歯周炎患者21名より歯肉溝滲出液(GCF)・末梢静脈血(PB)を採取し、比重遠心法にて好中球(PMN)を分離後、FcγR・FcαR発現をモノクロナール抗体とフローサイトメーターにて解析した。その結果、FcαR発現はPB-PMNに比べて、GCF-PMNにおいて蛍光強度、陽性率とも有意に増強していた。一方、2種類のFcγR発現はGCF-PMNにおいて共に有意な減少を示した。次いで、全RNAを抽出後、特異的プライマーを用いたRT-PCR法によりmRNAレベルを解析したところFcαR mRNA量はGCF-PMNにおいて有意に上昇していた。更に、FcγR及びFcαRを介した歯周病原菌の殺菌効果をin vitroにて検索した。IgG1でオプソニン化したPorphyromonas gingivalisに対する貪食・殺菌能は、PB-PMNの方がGCF-PMNと比べて有意に高いものの、IgA1を介した場合は同等であった。以上から、GCF-PMNの殺菌能賦活化を目的とした本研究では、FcαRがbispecific抗体の標的分子として最も確実性が高いと判断された。 2 抗歯周病原菌-抗FcR-bispecific抗体の作製 上記bispecific抗体のため、先ず、抗P.gingivalis抗体を精製した。すなわち、P.gingivalisを嫌気培養後、小胞(vesicle)を分離し、それを抗原としてウサギに免疫し、抗P.gingivalis-vesicleポリクロナール抗体を作製した。同抗体はvesicleの130kDaのバンドを強く認識し、赤血球凝集活性も強く抑制した。
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Research Products
(1 results)