2000 Fiscal Year Annual Research Report
抑制性IgGレセプターによる免疫調節機能と歯周炎感受性との関連性
Project/Area Number |
12672033
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
杉田 典子 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30313547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 哲夫 新潟大学, 歯学部, 助手 (00215344)
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Keywords | Fc受容体 / 抑制性シグナル / 遺伝子多型 / FcγRIIB / B細胞 / 歯周炎 / イムノグロブリン様レセプター / 1塩基多型 |
Research Abstract |
抑制性IgGレセプター・FcγRIIbについて、遺伝的個体差の有無を検索する第一段階として遺伝子の塩基配列のスクリーニングを行った。機能的に最も重要であり遺伝子多型が存在した場合機能的個体差を生じる可能性が高いリガンド結合部および細胞膜貫通部の配列を対象として選択した。それらはエクソン3,4,5にコードされているため、それぞれのエクソンを挟む特異的なPCRプライマー3組をイントロン内に設計した。全身疾患、歯周炎ともに有しない日本人100名より合意を得て静脈血を採取し、ゲノムDNAを抽出し、ダイターミネーター法によりダイレクトシークエンシングを行って配列を解読した。その結果,7箇所に1塩基置換を検出した。 ここまでの結果を、平成12年9月に仙台にて開催された『CRESTイムノグロブリン様レセプターに関する国際シンポジウム』にて発表した。 FcγRIIB遺伝子の塩基配列はFcγRIIC遺伝子と極めて似ているため、我々が検出した変異がどちらの遺伝子上にあるかを確認するため以下の検索を行った。 まずFcγRIIB、IICを区別する特異性の高いプライマーを設計し、1塩基置換を示したゲノムDNAサンプルと対照サンプルとの組み合わせすべてについてPCR増幅した。これをアガロースゲル電気泳動から切り出してテンプレートとして、前述のエクソン用プライマーにてPCRを行った後、ダイレクトシークエンシングにて配列を決定した。その結果、エクソン4の1カ所、イントロン4の2カ所の1塩基置換がFcγRIIB遺伝子上にあることが確認された。また、白人ゲノムDNAはFcγRIIB配列の一部が日本人とは異なっていた。 今回発見した3種の1塩基置換は、FcγRIIbのリガンド結合部位に変化を生じさせている可能性があり、したがって、FcγRIIbの機能に影響し歯周炎や自己免疫疾患に関与する可能性がある。
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