2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルトウィッヒ上皮鞘細胞を用いたセメント質の形成誘導機構に関する研究
Project/Area Number |
12672036
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大石 慶二 徳島大学, 歯学部, 助手 (00253211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 淳一 徳島大学, 歯学部, 講師 (10195315)
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Keywords | ヘルトウィッヒ上皮鞘 / セメント質 / E-カドヘリン |
Research Abstract |
この研究の本年度の目標は、ヘルトビッヒ上皮鞘(HERS)細胞を分離培養し、その性質を調べることである。 まずH-2Kb-tsA58トランスジェニックマウスよりHERSを分離した。分離したHERSの組織片を10%牛胎児血清(FBS)含有ダルベッコ変法最小必須培地(DMEM)中、または無血清KGM培地中で培養し、組織片から遊走する細胞を増殖させた。DMEM培地を用いた系では活発に増殖する細胞群を得、その継代に成功した。一方、KGM培地を用いる系でも細胞は活発に増殖したが、継代後の生着率が悪く、実験に適した細胞群を得ることができなかった。そこで以後の実験では、DMEM培地中で増殖した細胞を用いることにした。 次に、この不均一な細胞群から均一な細胞集団である細胞株を得るため、限界希釈法を用いて単一細胞を培養した。その中から上皮細胞様の形態を持つ細胞株を選択し、継代増殖させた結果、5個のHERS細胞株を樹立した。 得られたHERS細胞株は、上皮細胞に特徴的な敷石状の細胞形態を示した。これを培養後、mRNAを抽出してRT-PCRを行ない、発現遺伝子を調べた。その結果、得られた細胞は上皮細胞の指標遺伝子であるケラチンやE-カドヘリンを発現していることを確認した。また、免疫染色を用いて、上皮細胞に特異的な蛋白が細胞表面上に発現していることを確認した。さらに、細胞の分泌する蛋白を分析するため、培養上清を回収して蛋白を分離した。今後ウェスタンブロット分析を行なう予定である。
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